vs.幽霊船長
金田一少年の事件簿「幽霊客船殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは4話構成となっており、1話目は1997年11月17日(月曜日)に放送されました。

講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
あらすじ
引退直前のオンボロ客船で、沖縄旅行へと出かける金田一、美雪、そして、剣持警部は、出航後、船長宛に不気味な予告状が届いていることを知ります。
死の航海が始まった
後戻りはできない
ひとりずつ 消えてゆくだろう
幽霊船長
翌朝、予告状通り、船長が姿を消します。消えた船長の部屋には、朝食が準備してあるという奇妙な状況でした。朝食の準備に関して、ほぼ全員にアリバイがある中、一等航海士の若王子だけは、アリバイを語ろうとしません。
そんな若王子がモールス信号の遺書を残して、姿を消します。同時に三等航海士の死体もみつかり、事件は若王子の復讐だったということで、一旦落ち着きをみせます。
しかし、たまたま上陸した無人島で、乗客の記者が崖から転落して死亡します。若王子の犯行ではないと推理する金田一は、トリック、そして、背景にあるオリエンタル号沈没の真相を解き明かします。
登場人物
金田一一、七瀬美雪、剣持勇以外の登場人物をまとめます。
鷹守郷三(たかもり・ごうぞう)
酔いどれ船長。
最初の被害者。実は、沈没したオリエンタル号の船長。
若王子幹彦(わかおうじ・みきひこ)
一等航海士。
二番目の被害者。オリエンタル号に乗船していた。
加納達也(かのう・たつや)
三等航海士。ナルコレプシーを患う。
三番目の被害者。
赤井義和(あかい・よしかず)
海容雑誌記者。
四番目の被害者。オリエンタル号沈没に関する記事を書いていた。
水崎丈二(みずさき・じょうじ)
二等航海士。
(エンディングでは名前が丈次になっている)
香取洋子(かとり・ようこ)
乗務員。水崎の恋人。
大槻健太郎(おおつき・けんたろう)
機関長。
大沢貴志(おおさわ・たかし)
乗客。
吉田明(よしだ・あきら)
乗客。大沢の友人。アニメオリジナルのキャラ。
時原優(ときはら・ゆう)
乗客。一人客。大沢と吉田によく絡まれている。アニメオリジナルのキャラ。
アニメ情報
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 28 (FILE1) |
11月17日 |
| 29 (FILE2) |
11月24日 |
| 30 (FILE3) |
12月1日 |
| 31 (FILE4) |
12月8日 |
謎
船長の鷹守、若王子、加納、赤井を殺害した犯人、そして、その動機が謎です。
手口に関しては、朝食準備のトリック(7時25分のトリック)が、大きな謎です。
船長殺害
死体はどこにも見当たりませんが、彼が死んでいるのは確かです。犯人は死体を海に捨てています。
朝食の謎
鍵のかかった船長室に、朝食が準備されていました。金田一らがマスターキーで部屋に入った時、美味しそうなトーストが焼き上がっています。
船長室でアラームが鳴ったのが朝の7時30分、トーストの焼き具合から、7時25分に、セットされたと推理されます。この時間帯、香取は船内放送のため別室におり、その後、水崎、加納と合流しています。大沢、吉田、時原の3名、そして、大槻と赤井の2名は、行動を共にしていました。そのため、アリバイが不確かなのは、若王子のみです。
なお、朝食だけが残されている、というのは、幽霊船の伝説に登場する状況と同じです。
若王子殺害
若王子は遺書を残していました。遺書には、自分を貶めた船長と水崎を殺害し自ら命を絶つ、と記されています。一見、若王子は自殺にみえます。しかし、遺書発見後、さらなる犠牲者が出たため、若王子による犯行に疑問が投げかけられます。
加納殺害の謎
若王子は水崎を殺そうとしたようですが、死んでいたのは加納でした。
加納は操舵に仕掛けられた毒針を握ったため死んだようです。
このとき、操舵の当番は、本来ならば、水崎でした。つまり、加納の死は不慮の事故ということになりますが、なぜ加納が、当番でもないのに、操舵を握ったのか、という謎が残ります。
若王子が犯人でないとしても、水崎が当番だったという状況証拠から、真犯人も誤って加納を殺したと考えられます。もし、加納がねらいだったすれば、どうやって加納に操舵を握らせたのか、なぜわざわざ手の込んだことをしたのか、などの謎が生じます。
赤井殺害
記者の赤井は、無人島で崖から突き落とされて死亡します。若王子に全ての罪をなすりつけたはずですが、さらなる被害者が現れます。
手掛かり
真相を明らかにするヒントです。
証拠
現場に残された証拠や、トリックを明らかにする状況証拠です。
船長室の血痕
船長室の明かりのスイッチには、血痕が付着していました。
照明が必要だったということは、犯行が夜だったということを示唆します。
船の向き
加納の死体が見つかった時、船は、本来の進路とは反対に向かって進んでいました。
これが、加納を操舵室へと向かわせたトリックに、関連しています。
何気ない出来事
トリックを明らかにする何気ない出来事です。
停電
金田一の船室が突然停電します。これをきっかけに、船のブレーカーによる電気の分配が確かめられます。
金田一は、この停電をヒントに、朝食トリックの謎を明らかにします。
不自然な行動
金田一の具合が悪くなった夜、香取洋子がホットミルクを準備しています。自室で温めることもできるはずですが、わざわざ階段を降り、別の部屋へ向かっています。
水平線の太陽
水平線に浮かぶ太陽をみた金田一は、加納が操舵室へ向かった理由に気付きます。
真相
犯人は香取洋子です。彼女はオリエンタル号沈没で犠牲となったある人物の娘でした。
朝食トリック
夜中に船長を殺害した犯人は船長の葉巻を用意し、さらに、朝食も準備しました。実は、トリックに使われたトースターなどの家電は停電状態でスイッチが入れられていました。ブレーカーをオンにすることで通電するため、船長室に入らなくても、朝食の準備ができます。
加納殺害の真相
加納は誤って殺されたわけではありません。午後の操舵当番だった加納は太陽の位置や持病のナルコレプシーによって、時刻を勘違いしていました。
加納の部屋から見える太陽は夕陽なので、彼が目覚めた時、ベッドから太陽をみて、夕方だと勘違いしました。加納はナルコレプシーを患っていたため、勘違いが起きてもおかしくない状況だったといえます。しかし、彼がみたのは、ほんとうは朝陽でした。船の進路が逆になっていたため、朝陽が窓の外に浮かぶようになっていました。
動機
オリエンタル号はタンカーと衝突し沈没しました。このタンカーの船長の娘が犯人の香取洋子です。
洋子の父、すなわち、タンカーの船長はオリエンタル号沈没の濡れ衣を着せられることとなり死亡します。その後、残された家族である香取洋子達は、まともな生活が送れないほどの嫌がらせを受けることになります。そのような厳しい状況の中で洋子は、沈没の原因がタンカーではなく、オリエンタル号にあったことを知り、関係者への復讐を決意します。
オリエンタル号沈没の真相
鷹守は、若王子を蹴落として、オリエンタル号の船長の座に就きます。
地位を奪われることになった若王子もオリエンタル号に乗船しますが、鷹守により、重要なパーティーの最中に、仕事を与えられてしまいます。これを腹を立てた若王子は操船という仕事を放棄しパーティーに参加。その結果、オリエンタル号はタンカーと衝突し、沈没します。
責任転嫁
沈没の原因は鷹守と若王子のつまらない争いが原因です。しかし、彼らは、その責任をタンカーの船長になすりつけました。このとき、重要な役割を果たしたのが、タンカー船の唯一の生き残りである加納です。鷹守らに買収された加納はタンカーの船長に不利な証言をします。
事故の生き残り
時原優も、オリエンタル号に乗船していました。彼女は新婚旅行の最中で夫とふたりでした。しかし、沈没事故で、その夫が死んでしまいます。船から逃げ出すとき、夫は若王子に暴行され、救命胴衣を奪われました。つまり、時原もまた、復讐のために乗船していました。
水崎と沈没事故
犯人の恋人である水崎も、実はオリエンタル号沈没に関わっていました。彼は、見張りという重要な役務にありながら、鷹守の誘いにのってパーティーに参加し、結果、タンカーと衝突という大惨事を招いてしまいます。
結末
水崎の告白を聞いた香取は、恋人だった彼に、ただ利用しただけ、という捨て台詞をはいて、逮捕されます。
後日、水崎がオリエンタル号の真相を公にします。そして、捕まった香取に、指輪を送ります。その指輪には、いつまでも待ち続けるというメッセージが込められているようでした。
感想
ここまでエピソードは、犯人が全員、自決していました。しかし、このエピソードの犯人は、生き残り、逮捕されています。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「幽霊客船殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。
なお、オリエンタル号沈没の事件は悲恋湖伝説殺人事件にも登場します。
犯人
- 幽霊船長=香取洋子(かとり・ようこ)
朝食を作りのアリバイをつくった犯人。朝食と船長殺害は全く関係なくない?と思ってしまうが、朝食トリックを仕掛けた人物には船長殺害の容疑がかかっているはずなので問題ない。朝食の謎を解くよりも死体の捜索とかやることはありそうだが、朝食トリックを仕掛けることができた人物は犯人だけということなので、やはり問題ない。そもそも、死体は海に捨てられてしまっているので、船長を探しても意味はないが、大量の血痕が残っていたわけではなく、死んだかどうかわからない状況だったような気がするので、いちおう、あんな船長でも探してあげた方がよかったかもしれない。
朝食に関してアリバイがなかったのは若王子だけで、最後は若王子が死に、彼こそが犯人ということで事件は締めくくられるはずだった。が、殺さなければならない人物が登場してしまい、犯行計画は破綻してしまう。
加納の殺害については、沈没事故という背景が明らかになっていれば、加納が狙われたと考えてもおかしくはなかった。もしもトリックが失敗して水崎が死んでいたとしても、水崎にも事故の責任があったといえるので、無関係の人物が殺されたというわけではない。結局どっちが死んでも、復讐の一部ということで説明できるわけである。こんなことを考えたのは、やはり、船を逆走させるというのがものすごく失敗しそうだからだったりする。

