明智警視の事件簿1
金田一少年の事件簿「明智警視の華麗なる推理」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは1話完結作品で、1998年9月14日(月曜日)に放送されました。

講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
あらすじ
明智警視と剣持警部が面会した殺人の容疑者は金田一一だった。明智警視は留置場の中で無実を主張する金田一を適当にあしらい、事件の捜査に着手する。
被害者は江熊という中高年の男性で、あくどい金貸しだった。事件が起きたのは三両編成の快速電車で、死体がみつかったのは三両目。同じ車両には金田一が乗車していた。死体発見時、金田一は居眠りをしており、他に乗客はいなかった…。
登場人物
登場人物をまとめます。七瀬美雪や金田一二三も登場しますが、事件には関わっていません。
金田一一(きんだいち・はじめ)
不動高校二年生。バイト帰りに電車に乗り込み、殺人事件に遭遇。状況から犯人と断定される。
明智健悟(あけち・けんご)
警視庁の警視。金田一のお爺さんの名にかけて、真相を暴こうとする。
剣持勇(けんもち・いさむ)
警視庁の警部。明智と共に事件を捜査する。
住吉慎吾(すみよし・しんご)
刑事。偶然、事件が起きた電車に乗り合わせる。金田一を逮捕した人物。
江熊忠夫(えぐま・ただお)
被害者。金貸し。刀傷を隠すため、えんじ色のコートを愛用している。
鹿沢直美(しかざわ・なおみ
二両目の乗客。始発駅から乗車。女子高生。ギャル。
能代乙彦(のしろ・おとひこ)
一両目の乗客。始発駅から乗車。酔っ払いサラリーマン。
国東隆介(くにとう・りゅうすけ)
一両目の乗客。二駅目から乗車。フリーター。
八木清(やぎ・きよし)
車掌。三両目に乗っていたが、乗越精算のため、一両目へ移動した。
金子義勝(かねこ・よしかつ)
運転士。始発駅から事件発覚まで、一両目の運転席にいた。
アニメ情報
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 63 | 9月14日 |
謎
金田一が犯人だと思えるような状況です。金田一を逮捕した刑事の話を聞く限り、金田一の無実を示唆するような不審な点はありません。ただ、金田一は無実を主張しています。
手掛かり
事件に関する証拠や証言についてまとめます。
証拠
死体が発見されたのは快速電車の三両目で、死体の周囲には、被害者の持ち物が散乱していました。状況からして、犯人と被害者は争ったと考えられます。
凶器
凶器は被害者が持っていた傘です。傘には被害者の指紋だけが付着していました。なお、被害者は盆の窪(首の後ろの窪んだところ)を傘の先端で刺されて死亡しています。
証言
電車に乗っていた乗客が当時の様子を証言しています。まとめると次のようになります。
- 金田一一
始発駅で三両目に乗り爆睡する。目覚めたら人が死んでいた - 住吉慎吾(刑事)
始発駅で二両目に乗車する。三つ目の停車駅(三津川駅)を出発した後、一両目からえんじのコートの人物が現れ、三両目に移動した。ほぼ入れ違いで車掌が三両目から二両目に入ってきた - 鹿沢直美(女子高生)
始発駅で二両目に乗車する。車掌が二両目に入ってきた後、三両目に移動し、死体を発見した - 能代乙彦(酔っ払い)
始発駅で一両目に乗車する。脳みそがとろけるくらいに泥酔していたので記憶がない。ただし、えんじのコートの人物に足を踏まれたのは憶えている - 国東隆介(若者)
二つ目の停車駅(双葉駅)で一両目に乗車する。三津川駅でえんじのコートの男が一両目に乗り込んできた。寝ていた酔っ払いの足を踏んで、二両目に移動した。酔っ払いが暴れ始め、車掌が止めに入った。 - 八木清(車掌)
始発駅から三両目の車掌ボックスに乗り込んでいた。電車が三津川駅を出発した後、乗越精算のため、三両目から一両目へ向かった。三両目で、眠っている少年とえんじのコートの人物、二両目で女子高生と男性をみかけた。一両目では、寝ていたはずの酔っ払いが起きて暴れていたので、止めに向かった。 - 金子義勝(運転士)
ずっと運転席にいた。三津川駅を出発すると酔っ払いが暴れ始めた。
真相
犯人は車掌の八木清です。乗客の証言から、えんじのコートを着た被害者は三津川駅で乗車したように思えましたが、三津川駅で乗ってきたのはえんじのコートを着た犯人でした。本物は二番目の到着駅である双葉駅で三両目に乗車していました。
トリック
被害者の江熊は双葉駅で三両目に乗車し、車掌の八木に殺害されました。このとき三両目には金田一がいましたが、爆睡していたため犯行には気付いていません。
犯行後、八木は金田一に罪をなすりつけるため、被害者に変装して次の駅、すなわち三津川駅で一旦降り、一両目から乗り直しました。このとき、何食わぬ顔で車両のドアを閉め、発車準備を整えています。その後、客の足を踏むなどして印象付け、三両目へと向かいます。三両目に入ったら、急いでコートを脱いで車掌の姿に戻り、すぐに二両目に戻ります。
あらかじめ被害者の持ち物などを散乱させて格闘の痕跡を残しておけば、短時間での犯行は不可能ということになり、車掌は疑われなくなるはずです。車掌が三両目から出てきた後に犯行が行われたと認識されれば、車掌には完璧なアリバイが生まれます。
不自然な証言
犯人の八木は三両目にずっといたと証言しています。それにも関わらず、一両目にいた酔っ払いが寝ていたことを知っていました。八木は乗越精算のために一両目へ移動していますが、このとき、酔っ払いは暴れていたので、寝ている姿はみていないはずです。
指紋
凶器が被害者の持ち物であることから、突発的な犯行であったことが推測されます。カッとなって傘で刺してしまったのであれば、犯人の指紋が傘に付着していそうですが、凶器には被害者の指紋しか付着していませんでした。このことから、普段は手袋をしている人物が犯人であると推理できます。
動機
動機については詳しく語られていません。犯人が貯めた金を被害者がどうにかしてしまったようです。
結末
事件は無事に解決し、明智警視は優雅に去っていく。すると、警視の後ろ姿を見届けた剣持のもとに刑事がやってきて、連続放火魔の逮捕を伝える。一方、美雪と二三は花火大会を楽しんでいた。
感想
凶器に被害者の指紋しかないというのが、さらりと登場し、よく考えてみると謎だったわけです。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「明智警視の華麗なる推理(その1)」について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。
犯人
- 八木清(やぎ・きよし)
詳しい動機は不明だが、金が絡んでいるのは間違いなさそうである。計画性のない突発的な犯行だったので、穴だらけのトリックかと思いきや、そうでもなかった。
この頃、便利なICカードはなかったはずなので、おそらく切符だったと思われる。切符を調べたら乗車駅はわかりそうなのだが、きっと車掌という立場を利用して、切符も誤魔化したのだろう。ICカードの場合、ハッキングみたいなことが必要になりそうなので、時代は変わったなーという気分になるわけである。
証言の矛盾を暴くというのが面白いわけであるが、きっと「…寝ていた酔っ払いが起きていたので…」という証言で、逆転裁判みたいに、待った!と叫ぶ感じが正解なのだろう。ゲームとは違って華麗にスルーした方も多いと思う。

