鬼火島殺人事件・あらすじ・ネタバレ解説・犯人【金田一少年の事件簿22】

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vs.午前零時の悪霊

金田一少年の事件簿「鬼火島殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは4話構成となっており、第1話は1998年10月12日(月曜日)に放送されました。

午前零時の悪霊
©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや
講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション

あらすじ

胃に異常がみつかった金田一一は病院で再検査を受けることになる。内視鏡の検査により、軽症であることがわかるが、死を予期していた一は美雪と旅行へ出掛けるために貯めていたバイト代をパーッと使っていた。そんなわけで急遽、美雪と共に南房総沖にある島でバイトをすることになる。

金田一と美雪が向かったのは鬼火島(おにびじま)とも呼ばれる島で、島にはサナトリウムとして使われていた建物があった。現在は栄光寮という名前の、医大を目指す受験生のための合宿施設になっており、金田一達はいわば雑用係として寮で働くことになっていた。
金田一やコックの新谷にやや遅れて到着したのが、先発隊と呼ばれる六名の受講生で、そのうちの一人はいじめに遭っているような雰囲気だった。

その日の夜、恒例となっている肝試しが行われた。参加者は金田一、美雪、五人の受講生、そして、アルバイトの大野だった。怪談話のあと、寮で幽霊が出ると噂の部屋、<百日紅(さるすべり)>へ向かい、鍵穴から部屋の様子をうかがう。午前零時を迎え、金田一が覗くと、窓の付近に鬼火が灯り、室内には何かを吊るしている人の姿があった。
急いで部屋の扉を開けた一同だったが、百日紅の部屋には誰もおらず、死体もなかった。

登場人物

金田一一、七瀬美雪以外の登場人物をまとめます。

川崎洋三(かわさき・ようぞう)

医師。内視鏡で金田一の胃を検査した。
医師でありながら、栄光寮の数学講師でもある。

塚原伝造(つかはら・でんぞう)

栄光寮の寮長。受講生をもてなしつつも、厳しい態度を示す。

大野公平(おおの・こうへい)

医大生。栄光寮のバイトで元受講生。寮でのバイト経験が豊富な様子。

新谷百合(しんたに・ゆり)

コック。金田一達と同じ船で鬼火島へとやって来る。

花村麻美(はなむら・まみ)

講師。普段は高校教師。

森村圭一(もりむら・けいいち)

受講生。他人を見下しがちな青年。つり目。

加藤賢太郎(かとう・けんたろう)

受講生。森村の腰巾着。暴力にはしりがちな青年。

椎名真木男(しいな・まきお)

受講生。森村と加藤にいじめられている。幸薄そうな風貌。

太田綾(おおた・あや)

受講生。ツンツンな感じの女子高生。

白石美穂(しらいし・みほ)

受講生。大人しそうな感じの女子高生。

川島豊(かわしま・ゆたか)

受講生。ノリのよさそうな青年。口が軽そうともいえる。

海老沢邦明(えびさわ・くにあき)

元受講生。入院中。金田一が偶然、病室内に入っている。

アニメ情報

放送日
64
(FILE1)
10月12日
65
(FILE2)
10月19日
66
(FILE3)
10月26日
67
(FILE4)
11月2日

金田一が犯人と被害者の姿を目撃しましたが、部屋に入ってみると、そこには誰もいませんでした。金田一だけではなく、一緒にいた加藤も同じ状況を目にしています。百日紅の部屋に死体はありませんでしたが、のちに、島の道端で森村の死体が発見されます。
森村に続いて椎名の首つりが発見され、さらに、加藤も首を吊っているのがみつかります。森村、椎名、加藤は海老沢という元受講生をいじめて自殺に追い込んでおり、海老沢が午前零時の悪霊として姿を現し、犯行に及んだと考えられます。

消失

部屋に怪しい人物がいたのは間違いなさそうですが、その人物はどこかに消えてしまいました。
問題の部屋は二階の角にあり、隣の部屋と内扉でつながっています。窓から逃げた痕跡はなく、隣の部屋へ通ずる扉は封鎖されていたため、完全に逃げ場のない状態だったといえます。

どうやって消えたのかも謎ですが、なぜそのようなことをしたのかというのも謎めいています。森村が殺されたようですが、森村の死体はその後、道端で発見されています。消失事件は確かに不可解ですが、どんなメリットがあるのかは全くわかりません。

鬼火

部屋の窓には鬼火も浮いていました。金田一達が部屋に入ったとき、鬼火も消えていました。

足跡

森村の死体が発見された後、礼拝堂で首を吊っている椎名が発見されます。椎名は礼拝堂の高いところに吊るされていたため、そのまま放置されます。
椎名が発見される前、島には竜巻によって舞い上がった砂が降り注いでいました。この砂により、礼拝堂への足跡がくっきり残ることになります。この足跡と関係者の証言により、アリバイのない川崎先生が疑われることになります。

未遂

新谷百合による加藤の殺人未遂事件が発生します。新谷の旧姓は海老沢で、実は海老沢邦明の姉でした。
弟の復讐のために新谷が島へやってきたのは間違いないですが、彼女が午前零時の悪霊というわけではなさそうです。

新谷に殺されそうになった加藤は金田一と一緒に夜を明かそうとしますが、部屋に催眠ガスを注入され、結局、殺されてしまいます。

手掛かり

金田一が事件の真相に気付くきっかけなどをまとめます。

状況

肝試しで金田一がのぞいたのが百日紅(さるすべり)の部屋です。「すべり」という言葉から「すべる」が連想されるため、受験を控えた受講生は使用しておらず、空き部屋でした。
百日紅の隣は金木犀という名前の部屋です。百日紅と金木犀は内扉で繋がっているため、廊下に出なくても部屋を行き来できます。しかし、扉は封鎖されているため、実際に内扉を使うことはできません。

間取りを略式図で表すと次のようになります。金木犀と百日紅は左右対称のようなつくりになっています。

     
金木犀    
  廊下 廊下
廊下 廊下
百日紅    
   
肝試しの参加者

肝試しに参加したのは、金田一、美雪、大野、加藤、太田、白石の六人です。この六人にはアリバイがあるといえます。
消失事件の直後に寮長の塚原が姿を現し、さらに、金木犀の部屋にいた椎名が叫びながら廊下に現れて、金田一達と合流しています。このとき、椎名は鬼火をみたと話しています。

梯子と池

寮の梯子が紛失しています。肝試しの夜、梯子を運んでいる川島が目撃されています。肝試しには参加していなかった川島ですが、別のかたちで参加する予定でした。
梯子を使えば鬼火の謎は解けそうですが、鍵穴からみえる窓の外には池が広がっており、梯子を設置するスペースはありません。

ゴミ箱

消失騒動で金田一が百日紅の部屋に入ったとき、ゴミ箱は内扉の近く置いてありました。翌日、再び部屋に入ってみると、ゴミ箱は移動していました。

証拠

椎名がみつかったとき、礼拝堂付近には砂による足跡が残っていました。足跡を見る限り、礼拝堂に入った人物はいないようなので、犯人は砂が降る前に礼拝堂に入ったと考えられます。このとき、アリバイがなかったのは、森村の死体を調べていた川崎だけでした。

真相

犯人は椎名真木男です。二番目に死んだと思われていた椎名ですが、実は生きています。そして椎名こそが、森村と加藤を殺害した真犯人です。

動機

椎名と海老沢は親友でした。どちらも推理作家に憧れ、共著で推理小説を書こうとしていました。
しかしある日、海老沢のことを妬んだ森村が海老沢をいじめの標的にし、椎名にもいじめを強要します。自分がいじめられることを恐れた椎名は森村や加藤と一緒に海老沢をいじめることになります。その結果、海老沢は自殺を図り、病院のベッドで寝た切りになってしまいます。

海老沢が自殺した時、椎名はその場へ駆けつけ、海老沢の遺書を盗んでいました。椎名はいじめが告発されるのを恐れていましたが、遺書に書かれていたのは、母親への謝罪と、親友である椎名に小説の続きを書いて欲しいという内容だけでした。
遺書を読んだ椎名は自分の振舞いをひどく恥じ、海老沢のために命を捧げる決意を固めます。

トリック

肝試しの日に椎名は森村を殺害し、消失トリックを使いました。その後、死んだようにみせかけて加藤も殺害し、最後は自殺する計画でした。

消失トリック

金田一や加藤がのぞいたのは百日紅ではなく、隣の金木犀の部屋でした。二人が目を近づけたのは、百日紅と廊下を結ぶ扉の鍵穴ですが、鍵穴の前には内視鏡(の接眼レンズ;目を近づける部分)がテープで貼り付けられていました。そして、内視鏡は百日紅と金木犀を結ぶ内扉の鍵穴につながっていました。つまり、金田一達は鍵穴から内視鏡越しに、金木犀の部屋を覗いていたことになります。

金田一達が百日紅に入ったとき、内視鏡も消えていたのは、隣の部屋にいた犯人が回収したからです。犯人は金木犀の部屋から様子をタイミングを窺い、あるところで内視鏡を引っ張りました。このとき、内視鏡の管部分は回収できましたが、接眼部分は鍵穴を通らなかったため、内扉の真下に置いてあったゴミ箱に落ちるようにしています。

鍵穴にスマホが貼り付けられていたので、鍵穴を覗くとスマホの映像がみえた、というイメージです。ただし、このエピソードに登場する内視鏡は単眼鏡みたいな装置であって、映像装置とは微妙に違います。単眼鏡(海賊が持っていそうな望遠鏡)は棒状ですが、内視鏡はコード状になっています。フレキシブルなので、体内のような入り組んだ構造であっても使うことができます。

犯人がこのトリックを仕掛けた理由はトリックを考え出したのが海老沢邦明だったからです。
犯人の椎名は海老沢に事件の謎が解けるようにしていました。そして海老沢にだけ、自分が犯人であるというメッセージを伝えようとしていました。

鬼火

鬼火は川島豊による肝試しの演出です。彼は脅かし役でした。
金田一達が目撃した光景は金木犀の部屋の出来事だったわけですが、このとき偶然にも川島が鬼火を窓の外に浮かべていました。川島は百日紅の部屋の窓に鬼火を浮かべようとしていましたが、池があったので断念し、代わりに椎名がいる金木犀の部屋に鬼火を飛ばしました。川島の魂胆は、椎名を驚かして肝試しを盛り上げることにありました。黙っていたのは梯子の紛失によって自分が椎名の首つり事件で疑われると思ったからです。

首吊り

実際に首を吊っていたわけではありません。椎名の体重を支えていたのは胴体部分に巻かれた縄であり、首にかかっていたのはただの飾りでした。高いところを選んだのは、生きていることがバレないようにするためです。なお、梯子を盗んだのも椎名です。

結末

自殺しようとしていた椎名だったが、金田一や新谷百合の説得によって踏み止まる。
後日、金田一は海老沢邦明の病室に薔薇の花束を届けることになる。その花束は椎名からの贈り物で、花言葉は「我が心、君のみぞ知る」だった。

花言葉

椎名は薔薇の花言葉でメッセージを伝えていました。僕が使ったトリックは君しかしらないはずだ、という意味だと考えれます。

答えはここにあった

海老沢は病室にはワープロがあり、そこには海老沢が書いた推理小説が保存されていました。その推理小説に内視鏡トリックが登場しているはずです。このことに気付いた金田一が「答えはここにあった」と発言し、奇妙な偶然に驚いています。

感想

掃除をサボった金田一に対して笑みを浮かべたり、礼拝堂にもっとも近づいていたりした大野が怪しかったです。ラストシーンでも椎名が大野にみえました。

この記事のまとめ

金田一少年の事件簿「鬼火島殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。

犯人

  • 午前零時の悪霊=椎名真木男(しいな・まきお)
    いじめられないようにするために親友を裏切ったのだが、結局いじめに遭ってしまうという。そんな自分が嫌になるのはわかる気がする。
    死ぬつもりだったので、トリックなんて使わず、とりあえず殺しておけばいいわけである。遺書を残して、親友のためにやりましたと伝えることもできたわけだが、親友にだけ知ってほしかったみたいな心理だったのかもしれない。それってどんな心理だよ、とも思えてしまうが、結局のところ、完全犯罪を目論んでいたわけではなく、君だけのトリックという感じなので、突っ込むのがむなしい感じではある。
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