vs.モンスター
金田一少年の事件簿『怪奇サーカスの殺人』のあらすじと登場人物、ネタバレなどのまとめです。アニメは4話構成となっており、第1話は2000年8月21日(月曜日)に放送されました。『金田一少年の事件簿』の最後のエピソードとなります。

©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや
講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
あらすじ
金田一一、美雪、金田一二三は休暇をとった剣持警部と共に茜島を訪れ、シーズン外れの超激安ホテルで羽根を伸ばそうとする。
同じ頃、明智警視は高名な精神分析医と再会し、ある患者との接触を試みていた。
金田一達が宿泊するホテルにはゴブリンサーカスの団員も練習のために滞在しており、近くにはサーカス用のテントも張られていた。金田一達がテントで団員と知り合った直後、サーカスの用具入れがめちゃくちゃにされるという事件が発生する。用具入れの小屋には「MONSTER IS BACK」という言葉と、やけに大きな足跡が残されていた。
くわしい事情を把握していなかった金田一達は、団員からかつてモンスターと呼ばれた大男がサーカスに所属していたことを聞く。モンスターこと石川は脱出ショーの練習中に失敗し、ショーのために放たれた火炎に飲まれてしまった。しかし、死体は発見されていないという。
台風が島に接近する中、二日目の朝を迎えた一同は窓の外にのろしのような煙が上がっているのを目撃する。駆けつけるとそこには、巨大なドラム缶の下敷きになったピエロの姿があった。
登場人物
金田一一、七瀬美雪、金田一二三、剣持警部、明智警視以外の登場人物をまとめます。佐木竜太も少しだけ登場します。その他、ハーバート博士という精神分析医も登場しています。
八木沼順三(やぎぬま・じゅんぞう)
ホテルのオーナー。
アネット根来(あねっと・ねごろ)
ゴブリンサーカスの団長。乃絵留や顕人の叔母。
黒木田紅子(くろきだ・べにこ)
団員。女吸血鬼。
海老沢弓夫(えびさわ・ゆみお)
団員。スネークマン。関節を外すのが得意。
犬神拓郎(いぬがみ・たくろう)
団員。狼男。
小椋乃絵留(おぐら・のえる)
団員。妖精。空中ブランコ。
小椋顕人(おぐら・けんと)
団員。少年。乃絵留の弟。姉と共に空中ブランコを担当。フミに惚れられる。
フミに英語劇で披露するシンデレラの脚本について相談される。
ハートのジョン
ピエロ三人衆の一人。帽子を被っている。
他の二人を含め、いずれも団員に素顔をみせたことがない。
スペードのサム
ピエロ三人衆の一人。後頭部アフロ。
クラブのエド
ピエロ三人衆の一人。緑のアフロ。被害者。ドラム缶の下敷きになって発見される。
モンスター
本名は石川隆(いしかわ・たかし)。無口な大男で怪力の持ち主。死んだとされているが遺体は見つかっていない。
小椋伸吾(おぐら・しんご)
元団長。乃絵留や顕人の父親。妻を亡くし、酒に溺れて事故に遭う。
小椋リリィ(おぐら・りりぃ)
元団員。伸吾の妻で、乃絵留や顕人の母親。空中ブランコから落下し死亡してしまう。
アニメ情報
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 145 (FILE1) |
8月21日 |
| 146 (FILE2) |
8月28日 |
| 147 (FILE3) |
9月4日 |
| 148 (FILE4) |
9月11日 |
謎
クラブのエドが殺され、その後、スペードのサムも殺害され、どちらもモンスター(石川)の犯行と考えられます。しかし、モンスターは死んだはずです。また、サム殺害は大男のモンスターによる犯行とは思えない状況でした。
重いドラム缶
クラブのエドは首を絞められて殺されていました。その死体は400kgもあるドラム缶の下敷きになっており、体は焼かれていました。
400kgものドラム缶を一人で運ぶのは不可能ですが、怪力の持ち主であるモンスターにはそれができました。
消失
スペードのサムはホテルの一室で殺されました。その部屋には窓がなく、小さな通気口しかありません。金田一は乃絵留に呼ばれてこの部屋に駆け付け、ドア下のすき間から、室内をのぞいています。このとき金田一は室内で逆さづりにされたサムと、モンスターの姿を目撃します。ところが、室内に火が放たれた後、鍵でドアを開けると、室内にはサムの死体しかありませんでした。
手掛かり・伏線
金田一が真相に気付くきっかけ、推理の根拠などをまとめます。
状況
エドの死体が発見されたのは、煙が上がったためです。煙が立ち上ったとき、ピエロを除いて全員がホテルのレストランにいました。煙にトリックがないならば、ピエロ以外の全員にアリバイがあることになります。なお、ピエロのジョンとサムは部屋でエドを待っていたと話しており、互いにアリバイを証明しています。
ホース
ドラム缶が置かれていた場所(エドの死体が発見された場所)には、水道があり、蛇口にはホースもつながれていました。金田一は灯油がホースの内側に付着していることに気付いています。
ピエロの正体
三人のピエロは10年前に銀行強盗を働いた強盗犯でした。ピエロのメイクで素顔を隠し、時効を待っています。
証拠
サムの死体の下には紙きれが落ちていました。ほぼ焼けてしまっていますが、MONSTと書かれているようです。紙切れには横棒もいくつか書かれています。
真相(ネタバレ注意)
犯人は小椋顕人と小椋乃絵留です。二人は両親と石川を死に追いやったピエロ達に復讐するため、犯行を重ねていました。
動機
乃絵留と顕人の父親・小椋団長はサーカスの資金を手に入れるため、三人組の銀行強盗犯をピエロとしてかくまっていました。サーカスのためとはいえ、罪の意識があった団長はピエロたちを告発しようとし、口論になります。そしてピエロたちは告発を阻止するため、団長の妻・リリィを捕まえようとします。
追いかけまわされることになったリリィは空中ブランコで逃亡。しかし、スペードのサムにブランコを外され落下してしまいます。
リリィの死後、団長も事故死してしまいます。夫妻が親しくしていた石川がのこされた乃絵留と顕人の面倒をみようとしますが、石川もまたピエロたちにはめられてしまいます。
石川は酔ったハートのジョンからリリィの死の真相を知り、ピエロたちの告発を決心していました。ところが、脱出ショーでピエロたちの罠に落ち、炎に包まれることになります。
石川は真相を綴ったメモをタイムカプセルの中に隠していました。このメモを発見した顕人が両親の死や石川について知り、ピエロたちへの復讐を誓うことになります。
トリック
犯人は子供です。大男の犯行にみせて、モンスターの復讐劇を演じていました。
ドラム缶の中身
灯油が入った400kgのドラム缶を移動させることはできませんが、空のドラム缶であれば、子供二人がかりならば運ぶことができます。犯人は犯行後、死体の上に空のドラム缶を置き、その中に灯油を入れました。
灯油の移動は高低差(サイフォンの原理)が利用されています。灯油の移し替えにホースが使われたため、ホースには灯油が付着していました。
アリバイ
煙が上がったとき、犯人達にアリバイがあったのは、火を放ったのがピエロたちだったからです。ピエロの二人は実は死体の第一発見者でした。死体を発見した二人は、正体がバレるのを防ぐために、死体に火を放って顔を焼いています。
犯人はピエロの行動を予測し、死体を燃やすような状況を整えていました。
消失トリック
燃えた部屋の中にいたモンスターは顕人でした。火を放った後、顕人は通気口から脱出しています。
顕人が被害者よりも大きく見えたのは、室内がトリックアートで有名な“エイムズの部屋”になっていたからです。金田一が部屋をのぞいたとき、顕人は手前にいて、被害者は奥にいました。遠近感が見誤られたのは、部屋が紙で仕切られ、錯覚を起こすようになっていたからです。
MONSTと書かれた紙はフミが書いた英語劇のメモの転写でした。MONSTは縦書きで書かれた『星リエSNOW WHITE』のエSNOWを逆から読んだ文字で、エの上側が切れていたため、ひっくり返すとTにみえました。六本の横棒は金田一二三の、一、二、三でした。
結末
主犯の顕人は空中ブランコから飛び降りて自ら命を絶とうとする。金田一一が必死に説得し、顕人はそれに応じる素振りをみせたのだが、はずみでブランコを握ったまま台から飛び降りてしまう。顕人の手首を握った一も一緒に宙に放り出され、二人は危険な状態に陥る。安全マットの用意が間に合わないと思ったその時、大男が現れて、マットを顕人と一の落下地点に押し出す。現れたのは石川だった。石川は死んでおらず、記憶喪失となって精神分析医のもとで治療を受けていた。明智警視が訪ねたのは、実は記憶を失った石川だった。
感想
いろいろなお話がありましたが、最終話は泣けるエピソードでした。素顔をみせたことがないピエロって怪し過ぎます。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「怪奇サーカスの殺人」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。このエピソードで金田一少年の事件簿は最終回を迎えています。ここまでのシリーズは第一期という位置づけになり、その後、『金田一少年の事件簿R』というタイトルで第二期が放送されています。
犯人
- モンスター=小椋顕人(おぐら・けんと)&小椋乃絵留(おぐら・のえる)
大事な人達の命を奪ったピエロどもに、死をもって償わせる。子供が犯人というのがトリックめいており、殺人においても大人顔負けのトリックを仕掛ける。ただ、室内にいた犯人が忽然と消えるという意味不明な状況が生じたため、むしろ犯人が絞り込まれてしまっている。
犯人達が扮していたモンスターは生きていた。本物のモンスターには明智警視らと一緒だったというアリバイがあるはずなので特に問題はないが、もしかしたら、大事な人に罪をきせるかたちになったのかもしれない。そうなると、後味のだいぶ違う結末になりそうである。

