飛騨からくり屋敷殺人事件・あらすじ・ネタバレ解説・犯人【金田一少年の事件簿07】

金田一少年の事件簿「飛騨からくり屋敷殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは3話構成となっており、1話目は1997年8月4日(月曜日)に放送されました。登場する怪人は『呪い武者』です。

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あらすじ

幼馴染の巽紫乃に、脅迫に関する相談を受けた剣持警部は、金田一と美雪を連れ、岐阜県奥飛騨の口無村を訪れます。

巽家の後妻である紫乃は、息子が巽家の全財産を相続することになったため、呪い武者を名乗る人物から脅されていました。
先妻の後継人ともめる中、黒子姿の怪しい人物が、巽家に現れます。

呪い武者

©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや
講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション

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登場人物

金田一一、七瀬美雪、以外の登場人物をまとめます。この事件には剣持勇明警部も登場します

  • 巽紫乃(たつみ・しの)
    巽家の未亡人。後妻。元使用人。
  • 巽征丸(たつみ・せいまる)
    紫乃の息子。先代の残した遺言により、巽家の財産をすべて譲り受けることとなる。
    赤沼の死体発見後、行方不明となり、金田一によって死亡が確認される。
  • 巽龍之介(たつみ・りゅうのすけ)
    先妻である巽綾子(たつみ・あやこ)の長男。留学していたため、巽家の事情に疎い。
  • 巽隼人(たつみ・はやと)
    綾子の次男。終始、ビー玉で遊んでいる。六年前、龍之介に毒を盛られる。以降、おかしくなったふりをしている。
  • 巽もえぎ
    綾子の長女。黒猫を抱いている。
  • 仙田猿彦(せんだ・さるひこ)
    巽家に雇われて間もない使用人。元軽業師。銃の暴発により死亡。
  • 赤沼三郎(あかぬま・さぶろう)
    紫乃の客人。紫乃のもう一人の息子だと言って、巽家に近づく。合わせ扉の間で死亡したと考えられる。
  • 冬木倫太郎(ふゆき・りんたろう)
    巽家の主治医。
  • 冬木の母
    「たたりじゃ~」ではなく、「のろいじゃ~」と、釘をさすお婆さん。
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事件のまとめ

真犯人や動機、密室トリックなどの詳しい手口に加え、赤沼の正体、合わせ扉の間で見つかった死体はなぜ首がなかったのかなどが、この事件の謎です。

  • 赤沼の謎
    黒子の姿で現れた赤沼は、その顔を隠しています。とても怪しいその人物は、紫乃の息子だと主張します。赤沼は火傷でただれたその顔を、紫乃にみせているようです。
  • 呪い武者の謎
    紫乃を手紙で脅迫した呪い武者の正体も謎めいています。呪い武者が紫乃と使用人の前に姿を現し、その後すぐに、赤沼が巽家の屋敷へとやってきます。呪い武者の足跡が屋敷の内部へと続いていたことを考慮すると、呪い武者は巽家の関係者であるようにみえ、特に赤沼が怪しく思えます。
  • 密室殺人の謎
    合わせ扉の間で首のない死体が見つかります。死体が見つかった部屋はほぼ密室で、死体発見の直前に、金田一が扉に鍵がかかっていることを確認し、さらに、何者かの叫び声を耳にしています。合わせ扉というのは、部屋に通ずる扉が二つあることを意味しています。扉は直列につながっており、最初の扉は、忍者屋敷に出てきそうなどんでん返しになっています。そして、その奥に、鉄製の重そうな扉があります。
  • 準密室
    死体が見つかった部屋には小さな換気口があります。ガラス窓は、はめられておらず、鉄柵のみが取り付けられています。鉄柵を外すことで、小柄な人物であれば外へ出れる程度の隙間が生まれます。登場人物の中で、この隙間を通り抜けられそうなのは、元軽業師の猿彦のみです。もしも犯人が猿彦ならば、自分にしかできない密室をあえて生み出したことになります。
  • 密室トリック
    換気口から抜け出すためには、目の前の谷底を越えなければなりません。猿彦は、ボウガンで反対側の崖にある大木に矢を打ち込み、縄を張ることで、移動できるようにしたと考えれます。
  • 征丸の死の謎
    死体が見つかった翌日、征丸が行方不明になります。
    行方不明になる直前までは、猿彦と一緒だったようです。
  • 征丸の首
    美雪が呪い武者に連れ去られ、その後を追った金田一も、背後から襲われ意識を失います。武者神社のそばにある洞窟の中に連れて行かれた金田一は、目を覚まし、呪い武者と征丸の首を目撃します。
  • 猿彦の死の謎
    容疑者と思われていた猿彦が散弾銃の暴発により亡くなります。散弾銃には鉛が詰められていました。なぜ銃を撃ったのか、という疑問を残したまま、猿彦が犯人、つまり呪い武者だったということで、事件は落ち着きます。
  • 猿彦の動機
    動機は、猿彦が戦国武将の柊兼春(ひいらぎかねはる)の子孫で、復讐のため巽家の跡取りを殺したというものです。巽家の祖先は、戦国武将だった柊兼春を殺し、その首を献上することで、生き残っていました。
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伏線

金田一は、さまざまな光景からヒントを得て、真相に辿り着きます。これらのヒントは視聴者にとっては、伏線のように機能しています。

  • 猿彦の剪定姿
    剪定の際、猿彦は脚立と高枝切りバサミを使っています。わざわざ高枝切りバサミを使わなくても、脚立だけで十分間に合いそうな剪定作業です。しかし、猿彦は、脚立の低い位置に立ち、高枝切りバサミを使っています。
  • 龍之介と散弾銃
    征丸と龍之介が口論となり、そしてついに、龍之介が散弾銃を手にします。この時、止めに入ったのは紫乃でした。もしも、龍之介が銃を撃っていれば、暴発によって龍之介は死んでいたはずです。
  • 回転扉
    金田一は、ホテルの回転扉で黒猫とすれ違います。その直後に、密室の本当のトリックに気付きます。
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ネタバレ

猿彦は確かに犯人ですが、実は巽紫乃も共犯です。猿彦は事故で死んだようにみえましたが、死ぬように仕向けたのは紫乃です。赤沼と呪い武者は、猿彦もしくは紫乃が変装した架空の人物でした。顔がただれている、紫乃の息子であるというのはすべて作り話で、そもそも、赤沼三郎などという人物は実在しません。

犯人

  • 呪い武者=巽紫乃(たつみ・しの)
    息子に遺産を相続するために、血のつながらない息子を殺害する。血縁関係よりも一緒に過ごした時間のほうが……、というのは紫乃には関係がなかった。育てた息子が恨めしいやつに似ていたので殺せたらしいのだが、育てた子供の方を息子だと思えなかったのは、つまり本物志向があったからだと考えられる。

トリック

密室のトリックですが、金田一が合わせ扉の間に駆けつけた時、部屋の中には、猿彦がいました。しかし彼は、換気口から脱出したわけではありません。猿彦は、金田一と紫乃が鍵を取るため、どんでん返しを通り抜けて鍵を取りに戻っている最中に、鍵のかかった部屋から出ていました。そのままでは、戻ってきた金田一に姿を見られてしまいます。しかし猿彦は、どんでん返しにはりつき、金田一と入れ替わりで廊下側に抜けることで、金田一との鉢合わせを回避しました。

猿彦が部屋から出たあと、その部屋に鍵をかけなければ、再びやって来た金田一に、鍵がかかっていないことがバレてしまうかもしれません。これを防ぐため、猿彦は、本物の鍵を持っていました。そして、どんでん返しで金田一と入れ替わったあと、遅れてやってきた紫乃に鍵を渡しました。鍵はひとつしかなく、合鍵は存在しません。金田一と紫乃が取りに向かった鍵は実は偽物です。

  • 征丸の死の真相
    征丸は死んでいます。赤沼の死体と思われていた死体は、実は、征丸の死体です。
  • 猿彦の死の真相
    紫乃は猿彦に、殺してくれと頼み、猿彦が散弾銃を発砲するように仕向けました。新参者の猿彦は、散弾銃に鉛が詰められていることを知りませんでした。
  • 高所恐怖症
    猿彦は高所恐怖症でした。つまり、通気口から逃げるという手段は、猿彦に疑いの目を向けるトリックにはなっていませんでした。

動機

紫乃の本当の子供は龍之介です。征丸は紫乃の息子ではなく、先妻の綾子の息子です。

先代の遺言により、どういうわけか、後妻の息子である征丸が遺産を継ぐことになってしまいます。紫乃は自分の本当の息子である龍之介に巽家の遺産を継がせるため、今回の事件を起こしました。

紫乃と綾子は同級生でした。卒業後、妊娠した紫乃は病院で同じく妊娠中の綾子を目撃します。学生時代、綾子にいびられていた紫乃は、復讐と、自分の本当の息子を裕福な家庭で育てるため、生まれたばかりの龍之介と、征丸を交換します。つまり、嬰児交換(えいじこうかん)です。

紫乃は、嬰児交換ののちに、巽家の使用人になっています。この理由は、龍之介の成長した姿をみるためです。なお、龍之介の父親は仙田猿彦です。紫乃を妊娠させたのは猿彦でした。征丸の父は、隼人やもえぎと同じ、先代(巽蔵之介)です。征丸の人をののしる姿が綾子に似ており、紫乃にはそれが許せなかったため、征丸を殺すことができました。

経緯および計画

嬰児交換ののち、巽家の使用人となった紫乃は、先妻の綾子が亡くなった後、巽蔵之介(先代)の後妻となります。

先代が亡くなった後、遺言が公開され、征丸が全ての財産を引き継ぐことになります。
綾子の息子である征丸に遺産を継がせたくない紫乃は、猿彦と共謀して征丸の殺害を企てます。

問題は征丸の死体が調べられると、紫乃の息子ではないことがバレてしまう点です。そこで紫乃は、赤沼という人物を捏造し、征丸の死体を隠します。征丸の首を斬り落として持ち去ることで、死体が征丸であることがすぐには明らかにならないようにします。

赤沼の死に際して紫乃は、猿彦にしか作り出せない密室という状況下で犯行に及び、猿彦に罪をきせようとします。猿彦の動機は、呪い武者を利用します。
のちに、猿彦も、銃の暴発事故にみせかけて殺し、始末します。

赤沼の死体が見つかった翌日、征丸が行方不明である、という話をそれとなくして、征丸も被害者になったようにみせます。
征丸の死が確認されない限り、遺産は龍之介のものにならないため、美雪――結果的には金田一――を襲って証人します。つまり、剣持が呼ばれた理由は、幼馴染として頼られていたわけではなく、警察に信頼される証人を招喚するためでした。

結末

真犯人の紫乃は本当の息子である龍之介が仕込んだ毒を飲み、亡くなります。

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感想

遺言と殺人、「のろいじゃ~」と叫ぶお婆さん、顔を隠した人物など、金田一耕助の事件を連想させるような要素が盛りだくさんです。

「たたりじゃ~」と叫ぶお婆さん、落武者の言い伝えなどは『八つ墓村』に登場します。そして、顔を隠した人物(犬神家の一族ではスケキヨ)、意外な遺言状などは『犬神家の一族』に登場します。

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この記事のまとめ

金田一少年の事件簿「飛騨からくり屋敷殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、真相などをご紹介しました。

放送日
18
(FILE1)
8月4日
19
(FILE2)
8月11日
20
(FILE3)
8月18日
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