vs.悪魔
金田一少年の事件簿「悪魔組曲殺人事件」(アニメ)のネタバレあらすじ、トリック解説です。犯人考察です。アニメは2話構成となっており、1話目は1997年7月21日(月曜日)に放送されました。
原作にあたる作品はオーディオブックの「悪魔組曲殺人事件」で、アニメとドラマは制作されていますが、漫画版はありません。

講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
あらすじ
金田一と美雪は悪魔組曲の楽譜を探すため、ある山荘へと向かいます。そして、山荘に到着するやいなや、作曲家の死体が発見され、さらに、オペラ歌手が何者かによって殺されてしまいます。
悪魔組曲の詩に見立てた殺人であると考える金田一達ですが……。
ああ 雷光煌めき
闇さらに深まりて
魔界の宴の刻来たり
今宵の犠牲と選ばれし
聖なる鍵をば手にせし騎士は
悪魔の餌食と なりはてぬ
凛々しく 雄々しく 兜かぶりて
悪魔討たんと 騎士は往く
されど悪魔は呪われし 地獄の歌を口ずさむ
コマは止まりて 兜落ち 騎士は苦しむ 呪いの歌に
悪魔の嘲笑 野に響き
騎士の正義は消え果てぬ
されど最後の力にて 騎士は挑まん 地獄の歌に
弓をばとりて 弦をはり 放つ一矢が悪魔を射抜く
絶叫残して悪魔は消える
呪いの歌の呪縛は解けて
騎士は心に光を得る
聖なる鍵は己が胸にぞありき
登場人物
登場人物をまとめます。金田一一の幼馴染である七瀬美雪が、昔、通っていたピアノ教室で山根と知り合っています。なお、アニメ版にはクラシック音楽のファンである明智警視が登場します。原作のオーディオブックやドラマ版には剣持勇が登場しています。
山根優歌(やまね・ゆか)
マネージャー。美雪の知り合い。
マイケル・ヘンリー
作曲家。
最初の犠牲者。
夏岡猛彦(なつおか・たけひこ)
指揮者。
風蔵百合恵(かぜくら・ゆりえ)
オペラ歌手。嫌煙家。
二番目の犠牲者。
紅亜理紗(くれ・ありさ)
バイオリニスト。執事の椿が親代わり。
三番目の被害者となり、腕を負傷する。
椿陽造(つばき・ようぞう)
執事。御堂に仕えた。
御堂周一郎(みどう・しゅういちろう)
作曲家。悪魔をモチーフにした曲を作曲。生涯独身、と言われている。故人。
アニメ情報
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 16 (FILE1) |
7月21日 |
| 17 (FILE2) |
7月28日 |
謎
マイケルと風倉を殺した犯人、そして、なぜ見立て殺人にする必要があったのか、というが大きな謎です。
見立て殺人
死んだマイケルと風倉、そして、負傷した紅は、御堂が残した悪魔組曲の詩に見立てられて襲われているようでした。
何故、わざわざ詩に見立てて殺す必要があるのか、という謎が浮かびます。
悪魔組曲
悪魔組曲の楽譜はどこにあるのか、というのも一つの謎です。
金田一と明智は、この楽譜を探すために、山荘に招かれています。
真相
犯人は紅です。弓矢で襲われたというのは自作自演でした。
見立て殺人の真相
紅は計画的にマイケルを殺したわけではなく、憤怒のために、誤って彼を殺してしまいました。犯行時、紅には見立て殺人にするという考えは一切ありませんでした。
しかし、死体発見後、犯人の紅はマイケルがダイイング・メッセージの鍵を握っていることに気付きます。犯人は鍵が犯人を示す証拠ではなく、見立て殺人に必要な小道具だったと思わせるために、悪魔組曲の詩に見立てて次の犯行、すなわち、風倉を殺害します。
マイケルの死体が悪魔組曲の1番目の詩に似ていたのは、偶然です。つまり、不気味な死に方をした被害者に、何か意図的なものを感じとった発見者達が勘違いし、トリックを仕掛けたといえます。なお、何故見立て殺人になったのかという理由は、アニメではほとんどカットされているようです。
鍵
鍵はフランス語でクレです。そのため、犯人の名前を意味していることになります。アメリカでデビューしたマイケルは、アメリカ人のような名前を名乗っていますしたが、本当はミッシェル・ヘンリーという名前のフランス人でした。
風倉殺し
風倉が殺されたのは、犯人の紅がマイケルを突き飛ばすところを目撃していたためです。風倉は、これをネタに、紅を強請り始めます。紅は、風倉を悪魔組曲に見立てて殺すことで、マイケルが残した鍵のダイイング・メッセージから、周囲の人物の意識を遠ざけました。しかし犯人は、詩を音声でしか聞いたことがなかったため、駒と独楽を間違えてしまいます。
共犯者
紅が弓矢で撃たれたという演技をしたとき、弓を夏岡の部屋に運んだ人物がいます。執事の椿です。
悪魔組曲の在処
楽譜はマイケルが見つけ出し、それを全て自分の功績にしようと企んでいました。それを知った紅は、マイケルに怒りを覚え、誤って殺してしまいます。
死んだマイケルが持っていた楽譜は夏岡が回収します。つまり、金田一らが山荘に到着したとき、楽譜は夏岡が持っていたことになります。夏岡が隠していた楽譜は、明智が探しだします。
結末
見立て殺人の真相を暴かれ、追い詰められた犯人の紅は、崖から飛び降りて自殺を図ります。しかし、間一髪のところで、執事の椿と金田一に助けられます。
実は御堂の娘だったことが判明した紅は、最後に、父である御堂が自分のために残した悪魔組曲を演奏し、そして、警察に連行されます。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「悪魔組曲殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、真相などをご紹介しました。
犯人
- 悪魔=紅亜理紗(くれ・ありさ)
実は死んだ作曲家の娘だった、というのはミステリーあるあるかもしれない。一方、見立て殺人を犯行後に思い付くというのは金田一耕助シリーズを踏襲したような印象を与える。最初の殺人における詩の見立てが偶然だったというのも、金田一耕助っぽい。金田一少年なんだから当たり前だ、という気もするので、その辺はさておき、犯人は被害者に握られた所持品を隠すために、犯行後に見立て殺人を採用した。詩をみてみると、一番で悪魔が誰かを殺し、二番では悪魔討伐のために立ち上がった騎士がやられてしまう。三番目でその騎士が立ち上がって悪魔を射抜くので、三番目の被害者が悪魔だということになるのだが……、なぜ紅は自分を射抜いたのだ?実は捕まえて欲しかったみたいな謎心理なのか?よくわからないが、犯罪の隠蔽を企んでいたのなら、三番目は罪をなすりつけたい人物にすべきだったのではないかと思ったりもする。とはいえ、二番で誰かが死ぬような詩にはなっていないので、見立てです、というよりは、見立てっぽいです、という程度の連続殺人にしかなっていない。すなわち、三番目の被害者が悪魔という推測は泥船だったりもする。あれ、そもそもなんで見立て殺人になったの?というのは“金田一”というタイトルにあったのかもしれないと個人的には思う。
さて、原作はオーディオブック――当時はCDブックと呼ばれていたらしい――なので、コマと聞いて、駒か独楽かわからないというのは、映像作品だとちょっと苦しい気もするのだが、音声だけなら、面白い仕掛けになっているのだと思う。

