魔神遺跡殺人事件・あらすじ・ネタバレ解説・犯人【金田一少年の事件簿19】

金田一少年の事件簿「魔神遺跡殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは4話構成となっており、第1話は1998年7月27日(月曜日)に放送されました。登場する怪人は『凶鳥の命』です。

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あらすじ

鳥取県出雲へと向かう列車の中で、金田一一は魔神遺跡で起きた事件を思い出す。

――不動高校三年の宗像さつきに誘われ、金田一と美雪は遺跡発掘のアルバイトをすることになる。
宗像さつきの生まれ故郷でもある島根県魔陣村には、凶鳥(まがどり)の伝説が残り、今もなお、魔神具(まじんぐ)が隠されているという。さつきの父である宗像志郎は魔神具を探し出そうとしていたが、一年ほど前に土砂崩れに遭い事故死していた。父の遺志を継いださつきが、今回、発掘を再開することになったわけだが…。

魔神具は凶鳥の座(まがどりのざ)に隠されている。発掘に集まった関係者達はそう考えていた。凶鳥の座は岩石でつくられた石室(いしむろ)のようになっており、大人二人がかりでないと、凶鳥の座の扉;鏡岩を開くことはできなかった。鏡岩は単なる大きな石ではなく、その表面は鏡のようにつるつるで、鍵がなければ取っ手を掴むことはできなかった。
二日目に行われた最初の発掘作業は金田一の失態(出土品を破壊する、通風孔からスコップを飛び出させて他の作業員を攻撃するなど)を除いて無事に終わる。しかしその夜、凶鳥の座で男性の死体が発見される。石の扉は閉ざされており、死体発見現場は密室状態だった。

殺人事件が発生し一同は警察に通報しようとするが電話は通じなくなっていた。さらに、村唯一の出入口であるトンネルが崩壊し、村は完全に孤立してしまう。

凶鳥の命

©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや
講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション

登場人物

金田一一、七瀬美雪、金田一二三以外の登場人物をまとめます。二三は事件の当事者ではなく、事件解決後に一から事の顛末を聞いているだけです。

  • 宗像さつき(むなかた・さつき)
    不動高校三年生。金田一や美雪の先輩。魔陣村の出身
  • 宗像今日子(むなかた・きょうこ)
    宗像家の子孫。さつきの母親。黒のベールで顔を覆い、服も全て真っ黒。「三つの戒め」により軟禁状態
  • 宗像志郎(むなかた・しろう)
    教授。さつきの父親で、今日子の夫。
    故人。発掘調査中に土砂崩れに遭い死亡する
  • 村西弥生(むらにし・やよい)
    宗像一家が暮らす「七鏡の館」の家政婦。さつきが生まれる前から館で働いている
  • 大和猛(やまと・たける)
    宗像教授の助手。現在は魔陣村にある「宝玉の館」で暮らしている。
    メガネの曇りから、凶鳥の命に変装して宗像さつきの入浴を覗いたことがバレる。のちに、凶鳥の座で死体となって発見される
  • 蘇我豊広(そが・とよひろ)
    宗像教授の助手。現在は魔陣村にある「矛の館」で暮らしている
  • 港屋寛一(みなとや・かんいち)
    「宝玉の館」の住人。初老の男性
  • 港屋明日香(みなとや・あすか)
    寛一の妻
  • 江戸川謙次(えどがわ・けんじ)
    「矛の館」の住人。推理作家
  • 国守秋比古(くにもり・あきひこ)
    東城大学教授。遺跡の発掘に協力している
  • 鳥辺野章(とりべの・あきら)
    国守教授の助手。無口
  • 凶鳥の命(まがどりのみこと)
    磨神村の守り神
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事件のまとめ・謎

大和猛、港屋寛一、蘇我豊広、宗像今日子の四名が死亡します。いずれも、魔神具のレプリカを見立ての小道具に使った連続殺人だと考えられます。いずれも凶鳥の命に扮した人物の犯行のようですが、動機は全くわかりません。
さらに、大和殺害については密室、蘇我殺害にはダイイング・メッセージという謎があります。

大和の死

凶鳥の座で死体となって発見されます。絞殺でした。
大和は蘇我と協力し、二人だけで発掘を進めようとしていました。そのため、最初の発掘のとき、大和は凶鳥の座に残っていました。状況からして蘇我が怪しいですが、蘇我は犯人ではありません。

密室

凶鳥の座を閉ざしている鏡石は二人がかりでないと開きません。しかし、取っ手は一つしかなく、もう一つの取っ手は金田一が宗像さつきから預かっている鍵を使わないと掴むことができません。なので、たとえ二人いたとしても、鍵がなければ鏡石は開きません。
ただし、鏡石がつるつるなのは、屋外側の表面だけです。屋内側はごつごつした岩なので、とても掴みやすい状態になっています。

大和と蘇我は内側と外側から押して鏡石を開けようとしていました。内側に大和がいるので、犯人も鏡石を開けることはできます。ただし、犯行後に鏡石を閉ざすことはできません。事実、鍵は金田一が手にしていましたし、死体発見時、凶鳥の座には誰も潜んでいませんでした。

見立て

大和の首には魔神具の一つである宝玉の首輪が巻き付いていました。首輪はレプリカで、館内を調べてみると、他にも七剣と銅鏡がなくなっていました。このことから、見立て殺人であると考えられます。しかし、四つある魔神具のうち残る銅鐸だけはなくなっていませんでした。

寛一の死

港屋寛一はトンネルが崩壊した時、転がり落ちてきた釣鐘の下敷きになって死んでいます。

消えた銅鐸

魔神具の一つである銅鐸を使った見立て殺人と考えられますが、大和の死体がみつかった時、銅鐸のレプリカだけは盗まれていませんでした。しかし、事件発生後に確認すると、銅鐸もなくなっていました。

蘇我の死

蘇我は七鏡の館で殺害されます。頭部を殴られ、これが致命傷となりますが、即死ではなかったため、ダイイング・メッセージを残します。なお、使われた凶器は銅鏡のレプリカで、館の鏡も割られていました。

ダイイング・メッセージ

蘇我は日めくりカレンダーを握っていました。握っていたのは二枚の紙で、2月27日および2月28日を示すカレンダーでした。

今日子の死

宗像今日子は凶鳥の命に連れ去られ、その直後に、滝つぼに落ちて死んだようです。死体はみつかっていません。

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手掛かり・伏線

金田一が真相や魔神具の在り処に気付くきっかけなどをまとめます。

証拠

魔神具の在り処は七鏡の館の間取り図が示していると考えられています。間取り図の特徴は館にある鏡も書き込まれていることです。

蘇我は日めくりカレンダーを握っていました。日めくりカレンダーは壁に掛けられていましたが、カレンダー本体は犯人が持ち去ったため、なくなっている様子です。

状況

最初の発掘作業が終わった日の夜、七鏡の館でガス漏れ騒動が起き、換気のため館の扉や窓がすべて開かれます。このとき、誰かが何かに気付いている様子です。
ガス漏れと関係があるかどうかはわかりませんが、その日の夕食の後、金田一がガスコンロを使うとしますがなかなか火が付かなかったりしています。

夕食の献立

夕食の献立は家政婦の村西が決めています。
ガス漏れがあった日のメニューは以下の通りでした。この献立に対して、「もっとあったかいものが食べたかった」と愚痴っている人物もいます。なお、ガス漏れがあった日というのは、最初の発掘作業があった日であり、大和の死体がみつかった日でもあります。

  • ローストビーフの冷製
  • パン
  • ジャーマンポテトサラダ
  • イワシのマリネ

ローストビーフは作り置きで、お皿に盛りつけるだけの状態です。ポテトサラダも既に作ってあると考えられます。ちなみに、電子レンジは登場しません。

動物保護用具

クローズドサークル化した村で食料が少なくなったため、国守教授と鳥辺野助手が小動物を捕まえようとしています。このとき、動物用保護棒が登場しています。

教授たちが持っていた棒は、実際に、アニマルキャッチポールや動物用保護棒という商品名で販売されています。

通気口

凶鳥の座は密閉されているわけではなく、通気口があります。だいたい成人男性の顔くらいの大きさですが、人が通り抜けられるほどの大きさではありません。

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真相(ネタバレ注意)

犯人は家政婦の村西弥生です。村西は事故で死んだ宗像志郎の仇をとり、さらに、宗像さつきを守るために犯行に及びました。実はさつきは、村西と宗像志郎の間に生まれた子供でした。

犯人

  • 凶鳥の命=村西弥生(むらにし・やよい)
    「汚れし輩の汚れし手から魔神具を守るべし!!」「私は凶鳥様の言いつけ通りに動いただけなんだから…」
    凶鳥様が宿ったために凶悪な知能犯になった、らしい。基本的に『家政婦はみた』ではなく『家政婦はきいた』というのが殺意のきっかけになっているわけだが、これらもまた凶鳥様のお導きかもしれない。なお、お風呂に現れた凶鳥様は真犯人ではなく被害者の一人だった。その被害者はサプライズのつもりだった弁明しているが、ただの覗きである。きっとばちが当たったに違いない。
    見立て殺人で密室でクローズドサークルで覆面の人物がいてダイイングメッセージがあって宝探しの暗号付きという、てんこ盛りな感じであった。いろいろ指摘したくなるわけだが(密室なら首吊り自殺っぽく見せる努力をした方がよかったんじゃないの?とか、弥生と書いてあるカレンダーも握ればよかったんじゃないの?とかとか)、それでも結構面白かったと思う。どうでもいいが、気になるのは『ローストビーフの冷製』で普通ローストビーフは冷たくないかと思ったりもする。

動機

宗像志郎教授は土砂崩れに巻き込まれて事故死しています。事故死というのは間違いありませんが、土砂崩れの原因は大和と蘇我の勝手な発掘にありました。二人は自分達の勝手な振舞で教授が死んだことに気付いていましたが、特に悪びれる様子もなく、一切反省していませんでした。それどころか今度は、宗像さつきを自分達のものにしようとしていました。

村西は二人の会話を立ち聞きし、土砂崩れの原因や、自分の娘であるさつきに危機が迫っていることを知ります。そしてこれが、大和と蘇我殺害の動機になります。

宗像さつきは宗像志郎と村西弥生の不倫によって生まれた子供です。
志郎の妻である宗像今日子は志郎の研究の邪魔をしていました。今日子は宗像家の子孫だったため、魔神具を所有する立場にありました。今日子は魔神具の所有権をちらつかせて志郎と結婚したため、魔神具が見つかってしまうと志郎の今日子に対する興味が消え失せてしまうと考えていました。そんな事情によって志郎と今日子は不仲になり、自然と志郎は家政婦の村西に心の安らぎを求めるようになります。その結果、村西が妊娠しさつきが生まれます。

トリック

村西の標的は大和と蘇我の二人です。当初、見立て殺人の予定はありませんでしたが、ガス漏れで魔神具の在り処に気付いたため、急遽、魔神具と殺人を結び付けて見立て殺人に仕立て上げています。見立てにした理由は魔神具の在り処を示す鏡を割るためで、呪いを演出すれば違和感なく鏡を破壊できると考えたからでした。

密室

大和猛の密室殺人は通気口を使って行われました。犯人は凶鳥の座にプロパンガスを充満させて大和を通気口へと導き、新鮮な空気を吸うために顔を出した大和の首を動物保護用具で絞めています。犯行後、力いっぱい死体を押すことで、通気口から遠ざけてもいます。
犯人は大和が蘇我と共謀して凶鳥の座に閉じこもっているのを何らかの方法で知ったと語られています。おそらく立ち聞きしたのだと考えらます。

犯行にプロパンガスが使われたため、一時的にガスコンロは使えなくなっていました。夕食が冷たい料理だったのは火を使わずに用意されたものだったからです。金田一がガスコンロを使おうとしたちょうどこのとき、犯人が犯行に使ったプロパンガスのボンベをつなぎ直しています。

ダイイングメッセージ

蘇我豊広のメッセージは2月27日と28日ではなく、破り取られたカレンダー本体にありました。28日をめくると、そこには三月・弥生という文字が書かれていました。
被害者は犯人の顔をみたあと、このダイイングメッセージを思い付き、カレンダーを破っています。被害者の部屋にも同じカレンダーがあったため、28日の次に月の異称が書かれていることを知っていました。

港屋寛一の死

港屋寛一は不運にも釣鐘に押しつぶされて亡くなっています。犯人に殺意はありませんでした。
事故とはいえ、犯人がトンネルを爆破したために釣鐘が落下したため、過失致死ということになりそうです。

銅鐸が途中からなくなったのは、犯人が港屋寛一の死を想定していなかったからです。

宗像今日子の死

宗像今日子は二十年ほど前に既に死んでいます。黒いベール姿の今日子は村西弥生の変装です。
村西の妊娠が発覚したとき、階段の上で村西は今日子に殺されそうになります。このとき、一方的に攻められていた村西が今日子を振り払い、今日子は階段を転げ落ちてしまいます。今日子は死亡し、駆け付けた志郎が、妻の死の隠蔽を決意します。以降、村西は黒いベールの女を演じることになります。

凶鳥の命に連れ去れされたと思われていた黒いベールの女は人形です。結局のところ、この一件では誰も死んでいません。村西は変装生活に終止符をうつために、偽装殺人を実行しています。

魔神具

魔神具の隠し場所は、七鏡の館にある七枚の鏡が示していました。館の扉を開放して、玄関から見える鏡をみると、反射によってある物がみえます。それが魔閻地蔵で、地蔵の中に魔神具が隠されていました。

結末

正体を暴かれた村西は潔く罪を認め、自分も死のうとします。しかしそこに落雷があり、村西は記憶喪失に陥ってしまいます。病により余命いくばくだった村西は、その後、警察病院で過ごし他界します。
後日、金田一と美雪は金田一二三を連れて魔陣村を訪れ、生まれ変わった姿を目にすることになります。

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感想

ミステリー好きとしては、魔神遺跡や魔陣村というのが、とても魅力的に思えてしまいます。

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この記事のまとめ

金田一少年の事件簿「魔神遺跡殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。

放送日
56
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8月17日
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