vs.嘆きの鬼
金田一少年の事件簿「嘆きの鬼伝説殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは3話構成となっており、第1話は2000年1月10日(月曜日)に放送されました。

講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
あらすじ
泉鏡花演劇祭のため金田一と美雪は金沢を訪れる。兼六園を観光した二人は、早速、吉野高校の演劇部へと向かう。演劇部では『嘆きの鬼伝説』をモチーフにした劇を披露しようとしていたが、辻口令衣子だけは反対していた。
辻口令衣子(つじぐち・れいこ)は美雪の友人で、面彫師で有名な辻口家の娘だった。辻口家には『嘆きの鬼伝説』が言い伝わっており、令衣子が劇に反対していたのは、伝説の呪いを信じていたからだった。
その昔、金沢城の美しい奥方が魔物に受胎を祈願し呪われてしまった。奥方は井戸に身を投げ自殺し、その死体は鬼のミイラとなって発見される。そのミイラを将軍から授かったのが辻口家の先祖で、代々、ミイラの苦悶を面にうつそうとしていた。事実、辻口家には鬼のミイラがあり、ミイラに関する不気味な事件も起きていた。辻口家の現当主である鈴置(すずおき)は先妻を亡くしており、後妻も原因不明の病に侵されていた。先妻は鬼のミイラの前で狂って、自らを刺していた…。
令衣子が呪いを信じていたのは、作り話とは思えないほどの出来事が重なったからだった。しかし、令衣子の妹である美奈子(みなこ)を含め、演劇部の部員は伝説を信じていなかった。演劇部の部長も全く信じておらず、夜な夜なシナリオの作成を進めていたのだが、部長は<嘆きの鬼>によって殺害されてしまう。部長の死体は演劇部の部室でみつかり、部室は密室状態だった。
登場人物
金田一一、七瀬美雪以外の登場人物をまとめます。
辻口令衣子(つじぐち・れいこ)
吉野高校の二年生。演劇部の部員。美雪の友人。
演劇部の中で唯一『嘆きの鬼伝説』に反対している。
辻口美奈子(つじぐち・みなこ)
吉野高校の一年生。演劇部の部員。令衣子の妹。
中野宏和(なかの・ひろかず)
吉野高校の三年生。演劇部の部長。被害者。
坂本裕子(さかもと・ゆうこ)
吉野高校の二年生。演劇部の部員。宏和の彼女。
岡安俊秀(おかやす・としひで)
吉野高校の三年生。演劇部の部員。
辻口鈴置(つじぐち・すずおき)
辻口家の当主。令衣子や美奈子の父親。
真紀子(まきこ)という妻がいたが、自殺してしまう。
辻口佳代(つじぐち・かよ)
鈴置の妻。後妻。病弱な女性。
江波勝彦(えなみ・かつひこ)
鈴置の内弟子(住み込みで働く弟子)。
金森民夫(かなもり・たみお)
古物商。ミイラを手に入れようとしている。
鬼頭小百合(きとう・さゆり)
故人。吉野高校の生徒で演劇部に所属していた。
如月美和(きさらぎ・みわ)
石川県警の刑事。赤いスーツに短すぎるタイトスカート、黄猿みたいな色付きメガネをかけている。
アニメ情報
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 117 (FILE1) |
2000年 1月10日 |
| 118 (FILE2) |
1月17日 |
| 119 (FILE3) |
1月24日 |
謎
中野宏和が殺され、その後、坂本裕子も殺害されます。中野殺害については密室の謎が、坂本裕子についてはアリバイの謎が生じています。
密室
中野の死体は部室でみつかりました。部室の扉は内側から施錠できますが、廊下側から鍵を開ける手段はありません。鍵をかけるには、部屋に誰かがいないといけないはずですが、死体発見時、誰も怪しい人物には気付いていません。
なお、部室は三階に位置するため、窓から逃げることもできません。
アリバイ
坂本裕子は嘆きの鬼伝説をモチーフにした劇の練習中に殺害されます。
坂本は舞台の下で待機しているときに殺されています。このとき、演劇部の部員は全員、観客席にいたため、完璧なアリバイがあります。中野殺害のときは部員が疑われていましたが、連続殺人と思われるこの事件では全員にアリバイがあることになります。
事故死
演劇部には鬼頭小百合という部員が在籍していました。逸材と称されるほどの演劇部員でしたが、山登りの最中に滑落し死亡してしまいます。
中野と坂本の死体発見現場に『鬼』の文字が残されていたことから、鬼頭の復讐という動機が浮かび上がっています。
手掛かり
金田一が真相に気付くきっかけ、推理の根拠などをまとめます。
状況
中野の死体が確認されたとき、演劇部のメンバーは全員、部室に集まっていました。このうち美奈子だけは気分が悪くなったらしく、水飲み場へ向かっています。
その後、美奈子の悲鳴が聞こえ、金田一や美雪を含むメンバー全員が部室を後にします。美奈子は学校の外で座り込んでおり、悲鳴を上げたのは怪しい人物を目撃したからでした。
発狂と血痕
裕子が殺害されたあと、殺人を知った江波が辻口の自宅で発狂します。おかしくなった江波がとった行動は、鬼のミイラの額をミノで突き刺すというものでした。
その直後、不気味なことに、廊下に飾られたお面の一つが、額から血を流していました。
焼却処分
裕子の事件が起きる前、鈴置がお面を全て焼いてしまいます。理由は美奈子が彫ったお面をみたからでした。鈴置は自分のお面だけではなく、弟子の江波が彫ったお面も、ついでに焼いています。
証拠
お面が流した血は本物の血液で、それは坂本裕子のものでした。
真相
犯人は辻口美奈子と江波勝彦です。美奈子が部室で中野宏和を殺し、これを目撃した江波が美奈子をかばうために、坂本裕子を殺しました。
動機
美奈子の動機は鬼頭小百合のかたき討ちです。
鬼頭は山登りの最中に誤った山道を進んでしまい滑落してしまいます。鬼頭が道を間違えたのは偶然ではなく、実は一緒に登っていた中野、坂本、岡安が行き先表示の看板にいたずらしたためでした。このことを知った美奈子は大事な友人のために復讐を誓います。
江波は美奈子が鬼のお面を持ち出す姿を見かけ、後をつけます。そして、美奈子の殺人を目撃してしまいます。美奈子のことを気にかけていた江波は美奈子を守るために、罪をかぶろうとします。
トリック
最初の宏和殺害は間違いなく美奈子が犯人です。事件を目撃した江波は自分が犯人だと思わせるため、『鬼』という文字を現場に残し、同一人物による犯行にみせています。さらに、美奈子のアリバイが成立する状況で坂本を殺し、美奈子を容疑者から外しています。
密室トリック
室内に犯人が隠れていました。隠れていたのは江波で、帽子ケースを筒状にして、その中に潜んでいました。
美奈子が悲鳴を上げたのは演技で、怪しい人影も嘘です。演技の理由は部室に隠れた江波を逃がすためでした。
発狂
犯人の江波が発狂したのは演技です。坂本殺害時、江波は自分のお面が燃やされてしまったため、廊下に飾ってあったお面を使いました。ところが、このお面に返り血が付着してしまいます。江波は返り血を誤魔化すために、ミイラの額をノミでさして呪いのようにみせます。
結末
事件を解決した金田一は帰りの駅のホームで、如月刑事に金沢名物を頂く。名推理を披露した金田一は如月に認められたらしく、頬にキスもしてもらう。デレデレの金田一の横で、美雪は鬼になった。
感想
ミイラの前で自殺した前妻は本当に狂ってしまったようです。病弱な後妻も、ただただ突然に具合が悪くなったようです。もしかすると、本物の呪いかもしれませんが、呪いを信じすぎて精神的におかしくなってしまったとも考えられます。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「嘆きの鬼伝説殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。
犯人
- 嘆きの鬼=辻口美奈子(つじぐち・みなこ)=江波勝彦(えなみ・かつひこ)
辻口美奈子feat.江波勝彦という感じ。美奈子の殺人を江波が途中からプロデュースするみたいなことなのだが、江波が美奈子に献身的だった理由は詳しく語られていない。罪をかぶるつもりなら、さっさと殺して自首してしまえばいいのだが、最後の標的を殺害する前に気付かれてしまったということなのだろう。
Q.帽子入れの箱に人は入れますか?A.入れました。入れちゃったのだからこれは仕方がないとして、さらに、「部室には誰もいなかった」という台詞も大嘘だけど、これも仕方がないとしても、密室にした理由がいまいちよくわからんのは消化不良である。おそらく、密室だから部室の中に何者かがいたのは間違いなく、それができるのは部室に集まったメンバー以外なので、美奈子は容疑者から外れるということなのだろう。誰かが隠れていて、誰かが逃げた。それを目撃したとなれば、美奈子の悲鳴も信憑性が増してきそうである。しかし、そんな展開にはなっておらず、とりあえず部員の中に犯人がいるということで落ち着いている。密室のセオリーは自殺偽装なので、この密室トリックは変化球タイプといえそうである。

