vs.トロイの木馬
金田一少年の事件簿「電脳山荘殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは4話構成となっており、第1話は1999年1月11日(月曜日)に放送されました。

講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
あらすじ
公園で溺死体が発見され、剣持警部は金田一と美雪との約束だったスキー旅行をキャンセルすることになる――。
予定通りスキーにやってきた金田一と美雪は吹雪で遭難してしまう。記憶を辿りに近くのロッジへと向かうと、そこには電脳山荘というグループが集まっていた。
電脳山荘はミステリーマニアの集まりで、普段はネット上で活動していた。チャットのみの交流のため、お互いに面識はなく、本名すらも知らない状態だった。そんな彼らは交流を深めるためにオフ会を開き、雪のペンションに集まっていた。電脳山荘のメンバーは七名で、それぞれがハンドルネームを名乗っている。どうやら、乱歩というハンドルネームの人物と、スペンサーという人物は遅れている様子だった。
夜も遅くなり、一同は解散することになる。それぞれが自身に割り当てられたコテージで過ごす中、僧正が何者かによって殺される。金田一、ワトソン、乱歩は<トロイの木馬>を名乗る不審人物から電話を受け、僧正の死体を発見する。
登場人物
金田一一、七瀬美雪、剣持警部以外の登場人物をまとめます。
僧正(そうじょう)
リーダー格の男。切れ者風。
ぱとりしあ
くまのぬいぐるみを抱いているお嬢様風の女性。ちなみに、くまちゃんの名前はユウタ。
アガサ
可愛いと評判の女性。未成年らしいが飲酒する。
シド
ロックな感じの男性。
ワトソン
中肉中背の若者。眼鏡。
乱歩(らんぽ)
遅れている人物。アガサと仲がいい。
スペンサー
遅れている人物。チャットで乱歩とは親友のような関係だった。
トロイの木馬
犯人。声を変えている。
アニメ情報
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 74 (FILE1) |
1月11日 |
| 75 (FILE2) |
1月18日 |
| 76 (FILE3) |
1月25日 |
| 77 (FILE4) |
2月1日 |
謎
僧正の続いて、乱歩が殺害され、スペンサーの死体も発見されます。そして、ぱとりしあも殺されてしまいます。
僧正が殺されたとき、それぞれの証言から、全員にアリバイが成立していることがわかります。このことから、唯一姿をみせていなかったスペンサーが疑われることになりますが、スペンサーも死体となって発見されてしまいます。
トロイの木馬の正体、電脳山荘のメンバーが隠していることなど謎はいくつかありますが、最大の謎は僧正殺害時のアリバイトリックです。
僧正殺害
僧正は初日の深夜に殺害されました。殺される直前までチャットをしていたので、チャットの相手であるワトソン、シド、ぱとりしあにはアリバイが成立します(コテージ内でないとネット接続はできない)。
乱歩はロッジでアガサと一緒だったと証言し、アガサも同じような証言をしています。金田一と美雪を除けば、アリバイがないのはスペンサーだけということになります。
乱歩殺害
僧正の死体発見後、一同はロッジに集まろうとします。僧正のコテージに残った乱歩は、金田一達よりも遅れてロッジへ向かいます。このとき何者かに刺されて死んでしまいます。
発見時の状況から死亡時刻を推定すると、アリバイがなさそうなのはアガサとワトソンだけです。
ダイイングメッセージ
乱歩が発見されたとき、かすかながら息がありました。そして最期に「ぱと」と呟いて亡くなります。ぱとから思い付く言葉といえばぱとりしあですが、彼女にはアリバイがあるはずです。
襲撃と殺人
シドの襲撃事件が発生し、直後にワトソンが女性の死体を発見します。死体の所持品から、死んでいたのはスペンサーであることがわかります。メンバーは男性だと思っていたようですが、実は女性でした。
ぱとりしあ殺害
ぱとりしあは毒殺されます。彼女は電脳山荘の秘密を金田一に伝えようとしていました。本人は殺されてしまいますが、秘密について書いたファイルがパソコンに保存されてしました。なお、ファイルのパスワードはYUUTA(ぬいぐるみの名前)でした。
手掛かり
金田一が真相に気付くきっかけ、犯人を追い詰める証拠などをまとめます。
状況
僧正殺害については概ね全員にアリバイがあります。ただし、乱歩殺害については、アガサとワトソンのアリバイはありません。その他の事件についてアリバイは確認されていません。
声
トロイの木馬を名乗る人物は声を変えていました。もしもスペンサーならば、誰にも知られていない人物なので、声を変える必要はありません。そう考えると、既に声を聞かれている人物がトロイの木馬ということになります。スペンサーが犯人でないならば、僧正殺害にアリバイトリックが使われたと考えることができます。
容姿
僧正殺害後、ロッジに集まった一同ですが、乱歩だけが姿を現しません。心配したシドが探しに行こうとし、容姿を確認しています。このとき、ワトソンは「茶色のジャケットを着ていた」と発言し、アガサは「背が高くて赤いマフラーをしていた」と話しています。
メンバーの嘘
事件との関係はありませんが、電脳山荘のメンバーは全員身分を偽っています。
- 僧正
年商500億を超す企業の社長。ほんとうは、成績最下位の営業マン。 - 乱歩
サッカーでスカウトされた大学生。ほんとうは、就職先も決まっていない大学生。 - ワトソン
心臓移植に関する論文が話題となった医学生。ほんとうは、予備校生。 - ぱとりしあ
漫画家。ほんとうは、水商売。 - シド
デビュー予定のミュージシャン。ほんとうは、実家の稼業を継いだ自動車整備士。 - アガサ
女子高生。ほんとうは、大学生。
証拠
スペンサーのバッグには、ハンドルネームの由来となったスペンサーシリーズの本が入っていました。他に、赤い毛糸玉もみつかります。
ぱとりしあのパソコン
ぱとりしさのパソコンにはパスワード付きのファイル以外に、メンバーの昔のやり取りも残っていました。そのチャットでは、利き腕に予防注射をするかどうかが話題になっており、それぞれが、どちらの腕に跡が残っているかを書き込んでいます。この履歴から、シドは左腕、アガサは右腕にあるというのがわかります。
真相
犯人はアガサです。オフ会にやってきたアガサは偽者で、本物のアガサは既に殺されています。公園で見つかった死体が、本物のアガサです。
動機
電脳山荘のメンバーは共謀して榊原という教師を殺害していました。メンバーによる殺人は完全犯罪となり、事故死として処理されます。榊原には婚約者がおり、それが、ロッジでのオフ会に登場した偽のアガサでした。
偽アガサは本物のアガサに事情を聞き、榊原殺害の真相を知ることになります。そして、復讐のために、電脳山荘のメンバーを皆殺しにする計画を立てます。
トリック
犯人はアガサになりすましてオフ会に忍び込み、トロイの木馬を名乗ってスペンサー、僧正、乱歩、ぱとりしあを殺害します。なお、シドを襲撃したのはトロイの木馬ではありません。襲撃事件の犯人は予備校の証明書をみられたワトソンです。
アリバイトリック
乱歩が一緒にいた人物はスペンサーでした。このとき、アガサは一人きりで、アリバイはありません。
乱歩が「アガサと一緒だった」と証言したのは、一緒に過ごしていた女性がアガサと名乗ったからです。つまり、乱歩の前でスペンサーはアガサと名乗っていました。乱歩はスペンサーと初対面なので、目の前にいるのがアガサだと思い込むことになります。
スペンサーが名前を偽ったのは、乱歩に恋をしていたからです。ところが、男性だと嘘をついていたので、正体を打ち明けることはできませんでした。そこで、アガサのふりをして乱歩に会うことにします。このことをスペンサーから相談されたアガサは、アリバイトリックに利用することを思い付きます。
アガサはまず最初にスペンサーを殺害しています。名前の入れ替わりがばれないようにするためです。そして、僧正殺害時には、金田一、乱歩、ワトソンに電話をかけてアリバイを確認するように仕向けています。
ダイイングメッセージの意味
乱歩はぱとりしあが犯人だと思っていました。
襲われたとき、乱歩は犯人が女性であることに気付きました。乱歩の認識では、電脳山荘のメンバーの中で女性は二人だけです。アガサはちょっと前まで一緒だったので、そのとき犯行に及べばいいはずです。そうなると、消去法でぱとりしあが犯人ということになります。
証拠
チャットの履歴から、本物のアガサは左利きだったことがわかります(右腕に予防接種の跡があるので左利き)。しかし、オフ会に現れたアガサは右利きです。金田一にパソコン一式を教える時に右手で字を書いています。
この時点では状況証拠ですが、詳しく調べれば確かな証拠になるかもしれません。
毛糸玉
スペンサーのバッグには毛糸玉が入っていました。スペンサーはこの毛糸玉を使って手編みのマフラーを編み、乱歩に贈っていました。
アガサは乱歩の特徴を聞かれたとき、赤いマフラーに触れています。アガサと乱歩は電話で話しただけのはずなので、赤いマフラーについて知っているのは不自然です。
電脳山荘の秘密
ミステリーに触発されたメンバーは、全員で共謀して完全犯罪を成し遂げようとします。その標的となったのが、榊原です。榊原は熱心な教師でしたが、生徒に手をあげ、その結果、死なせていました。
電脳山荘のメンバーは、体罰教師として世間で名が知れ渡った榊原に電話をかけておびきだし、事故にみせかけて殺害します。
榊原殺害の手口
榊原は電話ボックスの中で有毒ガスを吸い込んで死亡します。
有毒ガスは洗剤と漂白剤が混ざったために発生しています。不慮の事故ということになりますが、洗剤と漂白剤を電話ボックスの近くに置いたのは電脳山荘のメンバーです。
榊原殺害のために、電脳山荘のメンバーは準備をそれぞれで分担しています。
- 事前に、僧正が電話ボックスが近くにある喫茶店を探し、乱歩が喫茶店でバイトをする
- スペンサーが喫茶店の前で落書きをする
- シドが電話ボックスの中で暴れてガラスを割る(有毒ガスの入口をつくる)
- ワトソンが電話ボックスの近くに自転車をとめる
- ぱとりしあが漂白剤入りの容器を電話ボックスの近くに捨てる
- 乱歩が洗剤で落書きを消す
- ワトソンが自転車のスタンドで漂白剤入りの容器を倒す
- 洗剤と漂白剤が混ざって有毒ガスが発生し、電話ボックスの中に入り込む
結末
追い詰められたトロイの木馬はロッジに毒ガスをまこうとする。しかし、間一髪のところで剣持警部が現れ、トロイの木馬は逮捕される。
感想
犯人もトリックもわからなかったですが、年商500億とか、心臓移植の論文で注目を浴びているなんていうのはすぐに嘘だとわかってしまいました。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「電脳山荘殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。
犯人
- トロイの木馬=アガサ
オフ会、昔でいうところの仮面舞踏会で犯行に及ぶ。偽名、なりすましはお手の物で、やりたい放題である。登場人物がなんか怪しいのは間違いなく、真剣にみていると疲れたりもする。
犯人は皆殺しにしようとしていたので、ハンドルネームを使ったアリバイトリックは時間稼ぎだったと考えられる。たくましい感じの犯人ではないので、いっぺんに始末するのは難しいであろうし、もしも途中でバレてしまったら、簡単に取り押さえられそうである。毒ガスを使っていっぺんに殺害すればよかったかもしれないが無関係の人物も巻き込んでしまう恐れがあった、云々、弁護側の意見という感じである。 - 電脳山荘
共謀して教師を殺害し完全犯罪を成し遂げる。ネット上のやりとりは、おそらく履歴等を消去しているはずだが、もしもバレてしまうと共犯ということになり、全員同罪になるかもしれない。
ぼろが出そうなのは、落書きをした人物と電話ボックスを破壊した人物で、この二人は明らかに犯罪を犯している。漂白剤入り容器を倒した人物も、結果的に人が亡くなっているので、過失致死を問われるかもしれない。破損した電話ボックスを放置したとか、有毒ガスが発生する恐れのある洗剤を道に流したとかで、電話ボックス管理会社や喫茶店に嫌疑がかかることもあるだろう。そうなると、事件を真剣に考える人が登場しそうである。

