黒牢城【あらすじ・ネタバレ・感想】

米澤穂信著「黒牢城(こくろうじょう)Arioka citadel case」のあらすじ、ネタバレ、みんなの感想などをご紹介します。この作品は第166回直木賞受賞、2022年のこのミス1位、山田風太郎賞受賞などなど、様々な賞を受賞しています。戦国時代を描いた作品で、ミステリー要素も含まれているため、歴史ミステリーと呼ばれています。ミステリーは、推理小説という意味であって、歴史的に不明瞭な部分を明らかにしているわけではありません。

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あらすじ

本能寺の変よりも四年前――天正六年の冬。
織田信長に叛旗を翻した荒木村重は有岡城に立て籠るが、城内で発生する数々の難事件に翻弄される。村重は囚人・黒田官兵衛に解決を求める。

第一章(雪夜灯籠)
荒木村重の預かった人質が何度で殺害されます。納戸へ続く道には見張りがおり、何度周辺の雪には足跡もありませんでした。この密室殺人について、荒木は囚人の官兵衛に相談します。安楽椅子探偵のごとき官兵衛は全てを見抜きますが、答えはいいません。

第二章(花影手柄)
荒木は夜討ちの翌朝、誰かわからない四つの首を手にします。さらに、大将を討ったのが家来の雑賀衆か、それとも、高槻衆かもわかりませんでした。荒木は首を持ち帰りますが、生首の形相が変化するという噂が流れ始めます。荒木は、黒田官兵衛から夜討ちそのものを振り返れと言われ、これによりある点に気付きます。

第三章(遠雷念仏)
僧と密使が殺害される事件です。密使は武士でしたが、刀を抜いていませんでした。殺人だけではなく、僧の持ち歩いていた茶壺もなくなっていましたが、密書はそのままでした。官兵衛は『庵からは何が消えたか。そこに手掛かり、足掛かりがあろうかと存ずる』と言い、低い声で経を唱え始めます。

第四章(落日孤影)
第三章の罪人が処刑の前に、鉄砲で撃たれたことが明らかになります。城内では、罪人の死因は雷という噂が広まり、御仏の罰だと言われ始めます。官兵衛は噂を見逃さず、全ての事件をつなげる一つの真実に辿り着きます。

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ネタバレ

すべての事件の黒幕は荒木村重の側室・千代保です。千代保の動機は城内で起こる数々の事件が仏罰であると信じさせることにありました。

黒田官兵衛が荒木の有岡城を訪れた理由は秀吉の命令です。秀吉は官兵衛に荒木の説得を命じられていました。死を覚悟していた官兵衛ですが、予想に反し、囚人となります。秀吉側からみれば、それは、官兵衛の寝返りであり、人質の息子・松寿丸は殺されます。松寿丸の死を確信する官兵衛は荒木を恨みました。

官兵衛が事件に手を貸していたのは、籠城を長引かせ、信長の配下に戻る事を阻止するためでした。籠城時の噂などが原因で、内部から崩壊してしまうと、荒木は信長の下に戻ろうとするかもしれません。そうさせないために、官兵衛は謎を解いて時間を稼いでいました

さらに官兵衛は荒木に、荒木自身が毛利へ救援を求めるという策を進言します。これは、荒木が自分だけ逃げたようにみせる策でした。

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感想

米澤穂信さんの作品はいろいろとありますが、戦国時代が絡んだミステリーは初です。奥の深い展開や、荒木村重と黒田官兵衛の魅力が描かれ、とても完成度の高いミステリーでした。謎解きも見事ですが、荒木村重の孤独さなど、印象的な人間ドラマでした。

みんなの感想

みんなの感想をご紹介します。

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黒牢城のレビュー・感想をまとめた図
集めたレビューについて
レビュー数 文章数 異なり語数
2942 11730 9112

黒田官兵衛

軍師として有名な黒田官兵衛が登場します。

主人公である荒木村重の苦悩も窺い知れるが、とにもかくにも黒田官兵衛恐るべし。さすが黒田官兵衛。物語の影の主役は黒田官兵衛だろう。

以前大河ドラマで黒田官兵衛をやったときに、官兵衛が土牢に囚われていた場面は覚えている。

約10ヶ月牢獄に入れられていた黒田官兵衛の頭脳明晰さに舌を巻いた。

安楽椅子探偵

現場や調査に出向かず、話を聞いただけで事件を解決する探偵を安楽椅子探偵と呼びます。黒田官兵衛は、まさに、安楽椅子探偵のようでした。

戦国時代の史実をベースにした、安楽椅子探偵モノミステリ!安楽椅子探偵とその助手による謎解きという古典的なスタイルだが、その二人が戦国武将でかつ敵同士という斬新な設定。

幽閉中の黒田官兵衛を安楽椅子探偵にするという発想が素敵です。安楽椅子探偵ならぬプリズン・ディテクティブ。

官兵衛を安楽椅子探偵にするなんてそれだけでも面白いのに、ミステリとしてもきっちり読ませてくれる力量はさすが米澤さん。

融合

ミステリと歴史の融合、という感想もみられます。

全てが一つの線でつながり、歴史小説とミステリーが見事に融合している。 わたしが今年前半に読んだ本の中で、ベスト1で、同僚にも「面白いよ」と勧めるくらい気に入った。

歴史小説にがっつりミステリーが融合。それもフーダニットやホワイダニットのような謎を、安楽椅子探偵ならぬ土牢探偵の官兵衛がヒントを出して村重が答えを出す。

歴史小説とミステリーの見事な融合。読み応えがありました。

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