名探偵ポワロ・第41話『グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件(Jewel Robbery at the Grand Metropolitan)』のあらすじ、トリック解説です。
休養のためにホテルを訪れたポワロが、とても高価な真珠の紛失事件に遭遇します。
あらすじ
体調不良のため休暇を取ることになったポワロはグランド・メトロポリタン・ホテルに滞在することになります。
ポワロはホテルで舞台プロデューサーのオパルセンに話し掛けられ、彼の芝居に招待されます。その後、オパルセンの高価な真珠のネックレスが盗まれ、ポワロは療養中にも関わらず、事件の調査を始めることになります。
オパルセンはネックレスを客室の棚に保管していましたおり、盗難発覚前まで、棚付近にはオパルセンのメイドとホテルのメイドがいました。どちらかが犯人と考えられる状況でしたが、オパルセンのメイド・セレスティーヌが棚から離れたのは、ほんのわずかな時間でした。このことからポワロやジャップ警部は、一人になった時間が短いため、一緒にいたホテルのメイドに犯行は不可能と判断します。
警察の捜査によって、セレスティーヌの服の裾から、ネックレスを入れていた宝石箱の合鍵がみつかります。警察はセレスティーヌを逮捕し、さらに、ボーイフレンドのホールという男も共犯者として逮捕しようとします。
一方ポワロは、セレスティーヌとホールは犯人ではないと考え、セレスティーヌに事情を聴きます。そこでオスカー・ワイルドの『真面目が肝要』というタイトルを耳にします。これがきっかけとなり、ポワロは真相にたどり着きます。

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC
変質者にしか見えないハンマーアーケードの絵
登場人物とキャスト
ポワロ、ヘイスティングス大尉、ミス・レモン、ジャップ警部以外の登場人物です。
- エド・オパルセン
ネックレスの持ち主。舞台プロデューサー - マーガレット・オパルセン
エドの妻。舞台でネックレスを身に付け役を演じる。女優 - セレスティーヌ
メイド - アンドルー・ホール
座付きの劇作家。セレスティーヌの恋人 - ソーンダース
運転手 - グレース・ウィルスン
ホテルのメイド。セレスティーヌと一緒だった人物。ホテルに雇われたのは二カ月ほど前
主要ゲストの役名と役者名をまとめます。ホールを演じた俳優さんは名探偵ポワロ『マギンティ夫人は死んだ』にも出演されています。
| 役名 | 役者名 |
|---|---|
| Celestine セレスティーヌ |
Hermione Norris |
| Andrew Hall アンドルー・ホール |
Simon Shepherd |
事件まとめ・謎
オパルセンのメイドであるセレスティーヌが容疑者として逮捕されます。警察は「ホテル付近にいた共犯者のホールが盗んだネックレスを持ち去った」と考えています。
盗難事件
ネックレスはその日、舞台で披露され、その後、ホテルの客室にて保管されていました。ネックレス用宝石箱は施錠され、鍵はオパルセン夫人だけが持っているという状況です。オパルセン夫妻はパーティーに出席していましたが、セレスティーヌは客室に残りました。そこに、ホテルのメイドが食事を運んできます。そして、そのメイドは一人留守番のセレスティーヌを不憫に思い、客室に残ります。
夫妻がパーティーから戻り、宝石箱を開け、ネックレスの紛失が発覚します。のちに、セレスティーヌのペチコートの裾から合鍵が見つかり、彼女が逮捕されます。しかし、ポワロは彼女が犯人だとは思っていないようです。
セレスティーヌはホテルのメイド;グレース・ウィルスンと一緒の時、二度その場を離れました。それは裁縫のハサミと糸を取りにいくためで、数秒の間、隣の部屋にいました。この間に、棚から箱を取り出し、さらに、箱を開けて中身を取り出すという行動をとるのは、不可能なようです。
手掛かり・伏線
盗難の謎を解くヒントです。
宝石箱の合鍵はセレスティーヌが犯人であることを裏付ける証拠です。
事件当夜、ホテルのボーイがオパルセン夫妻の客室付近をうろつくホールの姿を目撃しており、このことが、ホールが共犯者ということを示す状況証拠になります。
証拠
警察に追われホールも捕まります。このとき、ホールはネックレスを包んでいた布製のケースを所持していました。なお、このケースに対してホールは「何も知らない」と話しています。
また、ポワロは、パーティー会場に到着したとき、運転手ソーンダースの上着の汚れに気付いています。この汚れは、宝石箱を仕舞っている棚を開けると付着するようです。
証言
ホテルのボーイはオパルセン夫妻の隣にワージングというアメリカ人の男が泊まっていたと話します。夫妻の部屋とワージングの部屋は部屋の中で繋がっており、互いの鍵さえ開ければ、自由に行き来できる構造になっていました。
ワージングは、盗難があった翌日の早朝にホテルを後にしたようです。この人物は像の形をしたグリップが特徴的な杖をついています。ポワロと大尉がホテルに到着した時、ポワロはこの人物がロビーから階段を上がっていく姿を目撃しています。
- 借金
ホールには借金がありました。そして、オパルセン氏のことを快くは思っていないようです。これが、犯行の動機といえそうです - ホールの不審な行動
ジャップ警部が射的などを楽しんでいる最中、メイドのグレースから「ホールが棚の付近で何かをしていた」という証言を得ます。グレースはその姿を偶然目撃したようです
何気ない出来事
ポワロは捕まったセレスティーヌと話し、ホールと知り合ったきっかけが『真面目が肝要』という舞台だったことを知ります。この舞台のタイトルがポワロに真相をひらめかせます。
ネタバレ
犯人は運転手のソンダースとホテルのメイドのグレース・ウィルスンです。二人は夫婦で、動機は金です。隣の部屋に泊まっていたワージングとソンダースは同一人物です。
グレースはセレスティーヌが席を外した後、急いで宝石箱を取り出し、隣の部屋にいるソンダースに渡しました。二度目にセレスティーヌが席を外した際に、今度はソンダースから箱を受け取り、元に戻しました。
宝石箱の開錠には事前に用意していた合鍵を使い、この鍵をセレスティーヌの服の裾に忍ばせました。そして、宝石を包んでいた布製のケースはホールに持たせました。
- フレンチチョーク
運転手の上着に付着していたのはフレンチチョークです。すべりをよくするため棚に塗られていました。 - 真面目が肝要
オスカー・ワイルド作「真面目が肝心」にジャック・ワージングという人物が登場します。ポワロがワージングという名前に注意を向けるきっかけとなりました。
結末
ポワロはネックレスが偽物で、保険金を目当てにした狂言だったと嘘をつき、オパルセン氏を逮捕します。ネックレスが偽物かもしれないという疑いを持ったソンダースとグレースは舞台に隠したネックレスを確認しようとします。この現場をポワロらに押さえられ、二人は逮捕されます。
真犯人は逮捕され、ネックレスは無事、オパルセンの手元に戻ります。
ラッキー・レンとして散々間違えられていたポワロは、ついに本物を見つけますが、その人物に平凡な顔と言われ、すぐさま、名士の顔だと訂正します。
感想
このエピソードが60分ドラマ(実質50分程度)の最終話で、以降は120分ドラマとなります。
この記事のまとめ
名探偵ポワロ「グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件」のあらすじ、真相をご紹介しました。このエピソードの脚本はアンソニー・ホロヴィッツ氏が担当しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼 | 盗難の調査 |
| 事件分類 | 宝石盗難 |
| 謎 | 宝石はどうやって盗まれたか |

