『少年A』は2018年3月7日に放送された相棒season16の第19話です。殺人事件の容疑者として浮上した少年を軸にストーリーが展開します。ゲストは名子役として知られる加藤清史郎さんです。この記事では、あらすじ、登場人物とキャスト、ネタバレ、感想、余談などをまとめています。
あらすじ
ホステスの高田みずきが自宅マンションで撲殺される事件が発生。現場の状況から、犯人は犯行後12時間も部屋に留まっていたという事実が浮かび上がる。独自の捜査を開始した右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、現場近くで半グレ集団に脅されている一人の少年(加藤清史郎)に目を留める。事情を聞いてもその少年は「山田学」と名乗り、予備校にいたと嘘のアリバイを語るなど、のらりくらりとかわすばかり。少年が事件の鍵を握ると確信した特命係は、少年の嘘を一つずつ突き崩していく。

登場人物
- 少年A / 演:加藤清史郎
殺人事件の現場近くで特命係と出会い、年齢や名前、アリバイなど全てにおいて嘘を重ねる謎の少年。 - 高田みずき(たかだ みずき) / 演:藤村知可
撲殺された被害者のホステス。 - 平田 章(ひらた あきら) / 演:兼松若人
半グレ集団のリーダー。闇金業を営んでいる。 - 中村 隆(なかむら たかし) / 演:堀靖明
被害者の隣人。事件の第一発見者。 - 杉下右京(水谷豊)
警視庁特命係。 - 冠城亘(反町隆史)
警視庁特命係。
ネタバレ
ホステスの高田みずきを殺害した真犯人は、彼女に一方的な好意を寄せていた隣人の中村でした。第一発見者を装うことで捜査の目から逃れようとしましたが、その犯行は暴かれます。少年がついていた数々の嘘は、自らと弟を守るための必死の抵抗でした。少年Aの本名は高田創(たかだ・はじめ)で、被害者となった高田みずきの実の息子でした。創には弟の敦、そして栄養失調で亡くなってしまった乳児の妹・えりがいました。父親のDVと母親のネグレクトにより、3人とも出生届が出されず、無戸籍の状態でした。事件当日、創は亡くなった妹のことで母親に助けを求めようと部屋を訪れ、そこで母の遺体を発見していました。何日も食事をとっていなかった創は、極度の空腹から部屋にあったリンゴを無心でかじってしまいました。この行動が、結果的に「犯人が12時間も現場にいた」という捜査本部の誤解を生んだ原因になっています。
半グレの平田は、自分たちの闇金ビジネスを嗅ぎつけた暴力団員を殺害し、その罪を創に着せるという卑劣な計画を立てていました。しかし、特命係と角田課長率いる組織犯罪対策五課の連携プレーによって計画は未然に防がれ、平田一味は逮捕されます。全ての重荷から解放された創は、右京たちの前で初めて感情を爆発させ、涙します。その後、創と敦は正式に戸籍を得て児童養護施設へ。ラストシーンでは、特命係の二人に宛てた感謝の手紙が読み上げられ、物語は幕を閉じます。
感想と考察
こども店長のイメージがある加藤清史郎さんですが、過酷な運命に翻弄されながらも弟を守ろうとする兄としての強さ、そして追い詰められた末に見せる少年らしい脆さなどを見事に演技で表現していました。特にラストの号泣シーンはみどころだと思います。また、無戸籍という社会問題を真正面から取り上げた脚本も秀逸です。社会から存在しない者として扱われ、明日を考えることさえ許されなかった少年。そんな少年に右京がかける「これからは、明日を生きていきませんか?」という言葉は、作品のテーマを象徴するような力強いメッセージになっています。ミステリーとしての謎解きはもちろん、ヒューマンドラマも見事に融合したエピソードです。

