異人館ホテル殺人事件・あらすじ・ネタバレ解説・犯人【金田一少年の事件簿24】

スポンサーリンク

vs.赤髭のサンタクロース

金田一少年の事件簿「異人館ホテル殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは4話構成となっており、第1話は1998年11月23日(月曜日)に放送されました。

赤髭のサンタクロース
©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや
講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション

あらすじ

剣持警部から捜査協力の依頼を受けた金田一一は美雪、佐木竜太、金田一二三を連れて、函館にある異人館ホテルへと向かう。ホテルではアフロディア劇団による推理劇の開催が予定されていたのだが、<赤髭のサンタクロース>を名乗る人物から殺人予告が届いていた。

金田一達がホテルに到着した時、既に北海道警が捜査を開始していた。指揮をとるのは不破鳴美という警視で、高圧的な嫌味な女性だった。そんな不破の一存によって宿泊客の部屋割りは決められており、金田一と佐木はいわくつきの315号室に宿泊することになる。
315号室は室内が真っ赤で不気味な客室だった。その部屋は、赤髭のサンタクロースと呼ばれた人物が長年宿泊していたのだが、一年ほど前に死亡していた。

金田一や美雪が客室に案内された頃、推理劇に使われる衣装などが破損するという事件が発覚する。壁には赤髭のサンタクロースからの脅迫文が血文字で書かれていた。その内容は推理劇で誰かが死ぬというものだった。
脅迫に屈しない団長は劇の断行を決意し、最後の稽古を始める。老いた女優である団長をハンディカメラで接写した佐木がぶっ飛ばされる事件が起きつつも、稽古は終わり本番を迎える。そして、本番の最中に、芝居の一環としてワインを飲んだ団長が、息絶えてしまう。

登場人物

金田一一、七瀬美雪、佐木竜太、金田一二三、剣持警部以外の登場人物をまとめます。なお、このエピソードには明智警視も登場します。

万代鈴江(ばんだい・すずえ)

アフロディア劇団の団長。かつては大女優として名をはせた。
推理劇ではお金持ちの老女を演じる。

虹川幸雄(にじかわ・ゆきお)

アフロディア劇団の脚本家兼俳優。文月をしつこく口説いている。
劇では小説家を演じる。

文月花蓮(ふみづき・かれん)

アフロディア劇団の俳優。若くて美人。本名は北見花江(きたみ・はなえ)。スプーンの持ち方が独特。
劇ではメイドを演じる。

辺見魔子(へんみ・まこ)

アフロディア劇団の俳優。着物姿の女性。
劇では老女の娘を演じる。

市川玉三郎(いちかわ・たまさぶろう)

アフロディア劇団の俳優。腹話術師。基本的に腹話術で話す。
劇では人形使いを演じる。

榎戸あきら(えのきど・あきら)

アフロディア劇団の俳優。
劇ではピエロを演じる。

雪村剛造(ゆきむら・ごうぞう)

異人館ホテルの支配人。

不破鳴美(ふわ・なるみ)

北海道警の警視。不美人。捜査を指揮する人物。

赤髭のサンタクロース

十年前に異人館ホテルに現れ、大金を払って315号室を貸切る。一年前に、部屋のベッドで死んでいるのがみつかる。死因は薬物。自殺として処理される。薬物の売人だったと考えらえる。

アニメ情報

放送日
70
(FILE1)
11月23日
71
(FILE2)
11月30日
72
(FILE3)
12月7日
73
(FILE4)
12月14日

座長の万代鈴江が推理劇の最中に殺害され、脚本家兼俳優の虹川幸雄も殺されます。その後、金田一一と佐木が襲われ、佐木は病院送りになってしまいます。状況から金田一一が犯人ということになり手錠をかけられます。しかし、文月花蓮が遺書を残して自殺したため、金田一は解放されます。一連の事件については、遺書によって筋の通った説明がなされ、犯人は文月花蓮ということで落ち着きます。

毒殺方法

万代は推理劇の最中に毒入りワインを飲んで、死亡します。ワインは登場人物の分だけ用意してありました。ワイングラスは五つあり、そのうちの一つだけに毒が入っていました。台本に指示がないことなどから、万代は無造作にグラスを取ったと考えられ、無差別殺人だったと一旦は結論付けられることになります。
これについて、録画映像を確認していた佐木が万代に毒を飲ませる方法を思い付きますが、犯人に襲われ意識不明になってしまいます。

カプセル

万代殺しについて文月花蓮は、万代が飲むカプセル薬に毒を仕込み、遅れて効き目がでるように細工したと遺書に書いています。そして、劇の最中に万代がこぼしたワインに後から毒を入れて、ワイングラスに毒が入っているようにみせたようです。
もしかすると佐木がみつけたのは、こぼれたワインに毒を仕込む文月の姿だったのかもしれません。

電話の相手

虹川は電話で誰かに呼び出された上で殺されています。虹川の素振りから、相手は文月だったようです。

密室

金田一と佐木が襲われたのは午前零時頃でした。このとき、剣持警部は赤髭のサンタクロースに呼び出されて、屋外にいました。ちょうど零時に剣持は赤髭からの電話を受け取り、ホテル三階の赤い部屋に怪しい人物がいることに気付きます。剣持が315号室に駆け付けると、金田一が倒れており、佐木は無惨な姿になっていました。
異人館ホテルは午前零時に鍵が変わるというシステムを利用しており、零時以降に使用できる315号室の鍵はフロントに置いてありました。剣持が赤髭を目撃したのは零時以降だったので、赤髭が部屋を出たのも零時以降ということになります。それにも関わらず、315号室には鍵がかけられていました。鍵をかけることができるのは、室内にいた人物ということになり、金田一が容疑者となります。

秘密の通路

315号室には秘密の抜け道がありました。壁の木製パネルを外せば、隣の部屋へ移動できます。そして、隣の部屋を使っていたのは文月でした。

手掛かり

金田一が事件の真相に気付くきっかけや証拠などをまとめます。

状況

文月花蓮はカプセルに毒を仕込んだので、被害者がたまたまワイングラスを持っていたと考えることもできます。推理劇の進行には台本があったとはいえ、間違いなく予定通りに進むとは言い切れません。もしも失敗していたら、すぐにバレてしまいます。
以上のことから金田一は文月花蓮以外の人物を疑うことになります。

反射

推理劇の最中に舞台で何かが照明の光を反射していました。普段は反射が生じないように工夫しているようです。

315号室の鍵

金田一が襲われて目覚めた時、ポケットに入れていた鍵が紛失していました。その後、発見もされません。

過去の事件

詳しくは語られませんが、十年前にみつかった女性の自殺体が異人館ホテルでの事件に関わっています。
さらに、赤髭のサンタクロースと万代および虹川の関係も示唆されています(赤髭のサンタクロースの部屋の隣に、万代と虹川が宿泊していた)。

証拠

佐木の録画テープが盗まれています。佐木は複数のテープを持っていましたが、紛失したテープはひとつだけでした。そのため、前後のテープから稽古の様子を録ったテープが盗まれたことが判明します。このテープをみて佐木は毒殺トリックに気付いたはずでした。
前後のテープを確認した金田一は、死んだ万代の台本に秘密があったと考え、万代が捨てた台本を探し出します。書き込みだらけの台本ですが、ワイングラスをとる場面だけは破り取られていました。

DNA鑑定

佐木は犯人に襲われたとき、被害者の皮膚を引っかいていました。佐木の爪に残っていた皮膚片は文月のDNAと一致していました。

真相

真犯人は不破鳴美です。不破成美の本名は北見蓮子(きたみ・れんこ)で、文月花蓮という芸名で活躍していた北見花江の双子の姉でした。

動機

北見姉妹は幼い時に両親を亡くし、それぞれ別々の家庭で暮らすことになります。そして10年ほど前、北見蓮子はある男に薬物漬けにされていました。そんな蓮子は、ついにその男を殺してしまいます。警察に追われる身となった蓮子は崖から飛び降りて自殺しようとしますが、偶然にも、不破成美の靴や身分証などの所持品を発見します。このとき、蓮子は不破に成りすまして生きていくことを決めます。
不破の計画は成功しますが、殺人事件の犯人は逮捕されず未解決となります。さらに、文月花蓮(北見花江)には殺人犯の姉がいたという事実も残ります。

不破(北見蓮子)は殺した男に麻薬を売っていた売人を探すため、警察官になります。その売人こそが赤髭のサンタクロースでしたが、逮捕前に死んでしまいます。他殺を疑った不破は独自に調査を進め、万代と虹川に辿り着きます。不破は赤髭のサンタクロース殺害の容疑で万代と虹川を問い詰めますが、このとき、文月花蓮がその場に姿を現し、不破は文月の本名を口にしてしまいます。

不破が北見蓮子であるということを知った万代と虹川は、過去の殺人をネタに不破を脅迫するようになります。その内容はどんどんエスカレートし、耐えきれなくなった不破は殺害を計画することになります。

妹殺害

不破は実の妹である文月花蓮も殺しています。その理由は殺人犯として逃げているとき、妹の自宅へ逃げ込むと、そこに警察が現れたからです。
不破は妹が裏切って通報したと思い込んでいましたが、妹は何もしていませんでした。むしろ、姉への愛情は失っていませんでした。不破の幼い頃の夢は女優になることで、その夢を叶えるために、文月花蓮は俳優を続けていました(双子なので、入れ替わりを考えていた)。

佐木殺人未遂

佐木は一命を取り留め、意識も取り戻します。佐木が狙われた理由に裏はなく、トリックの証拠をビデオカメラで撮影していたからです。

トリック

犯人は警視という立場をほぼ利用せずに殺人計画を立て実行しています。金田一への傷害と、佐木の殺人未遂は予期せぬ事態でしたが、すべての罪を一人の人物になすりつけています。

毒殺トリック

万代の台本には『真ん中のグラスを手に取る』という内容が書き込まれていました。これを書き込んだのは犯人の不破です。この書き込みにより被害者は毒入りのワイングラスをあえて手にしていました。

犯人は万代以外の人物が死んだときのために、もうひとつ毒殺手段を舞台に仕掛けていました。それが、毒の付着した短剣です。短剣は舞台の暖炉の上に飾られており、この短剣が照明を反射していました。
短剣は推理劇で凶器として使われ、万代が刺される予定でした。劇が行われた舞台は保存されていたため、毒付きの剣もそのまま放置されており、金田一は犯人を罠にはめるため、関係者に推理劇を演じさせています。このとき、万代役になった不破は剣を払いのけています。

密室トリック

剣持がみた赤髭のサンタクロースは315号室ではなく、314号室にいました。部屋が赤かったのは赤いセロファンが室内の照明に被されていたためです。犯人は午前零時よりも前に315号室を出て、金田一が持っていた鍵で施錠しています。

双子のDNA鑑定

佐木の爪に付着していたのは不破の皮膚です。不破と文月は一卵性の双子であるため、文月のDNAとも一致していました。

一卵性の双子のDNAも実は違っています。なので、DNA鑑定の精度によっては、一致と判断される可能性もあります。
精密な鑑定をする場合には、文月に双子の姉がいるという事実が明らかになっている必要がありそうです。

結末

不破は犯行を認め、明智警視らに連行される。後日、面会室で金田一から妹である北見花江の想いを知ることになります。

感想

金田一が襲われただけではなく、佐木も襲われて重傷を負ったので、恐怖感を覚えました。ミステリーをみていると麻痺してきますが、身近な人が襲われたり殺されたりするかもしれないという怖さがあります。

さて、函館に実在する旧函館区公会堂が異人館ホテルのモデルになっているそうです。嘘かほんとかわかりませんが、旧函館区公会堂といえば「ミステリと言う勿れ」にも登場していました。

この記事のまとめ

金田一少年の事件簿「異人館ホテル殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。

犯人

  • 赤髭のサンタクロース=不破鳴美(ふわ・なるみ)
    売人の通称も赤髭のサンタクロースだった。この名前を語って犯人は犯行に及んでいるわけなので、正確には二人いることになる。売人の方は万代及び虹川によって殺害されている。密室だったため自殺と断定されたが、実は麻薬取引用の隠し通路があった。
    犯人は警視という立場でありながらも、強引な手段は選んでいない。それなりの権限があるはずなので、証拠をなかったことにしたり、証拠を捏造したりもできたはずだが、そういったことはせずに、犯行計画を立てている。想定外だったはずの佐木殺人未遂も、これといった破綻なく、当初の計画通りに、一人の人物に罪をなすりつけている。詳細が語られているわけではないが、十年前の殺人について、いちおう完全犯罪を成し遂げている。逃亡中なので完全とは言い切れないが、捕まっていないのは間違いない。つまりは、なかなか手強そうな犯人だったわけである。
    異人館ホテルでの殺人も完全犯罪になりそうだった。犯行に関してこれといった証拠はなく、言い逃れは容易そうだった(まぁもちろん、制作側が描かなかっただけなのだが)。だがしかし、双子であるという事実だけは消すことができなかった。スプーンの持ち方でバレたというのは、んなアホな、という感じだが、さすが名探偵と呼ばれた人物の孫ということであろう。双子ということがわかってしまえば、とりあえず十年前の殺人で捕まり、さらにDNA鑑定の結果から佐木殺人未遂で疑われ、遺書も怪しくなって…と、まさに芋づる式である。
    簡単にいうと、双子だったわけである。そして、警察が犯人だったわけである。密室トリックもなんだか見たことあるような感じなので、トリックには頻出感があるが、芋づる式解決は、いわゆる多重解決で、結構面白かったと思う。
タイトルとURLをコピーしました