いかづち祭
金田一少年の事件簿「雷祭殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは3話構成となっており、第1話は1999年8月16日(月曜日)に放送されました。

講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
あらすじ
転校したクラスメイトと再会するため、金田一と美雪は雲場村というコンビニも喫茶店も銀行もない田舎の村を訪れる。
元クラスメイトの朝木秋絵は有名な陶芸家の娘で、実家はとても大きなお屋敷だった。金田一は屋敷の中で秋絵たちからはぐれてしまい、陶芸家の仕事場で異様な光景を目の当たりにする。秋絵の父・朝木冬生は仕事場で自殺していた。喉を火かき棒で刺した朝木は、血を噴き出して死んでおり、その血飛沫が壁に飛び散っていた…。
夕刻を迎え、金田一と美雪は秋絵の親族と共に村で行われる雷祭に参加する。毎年必ず発生する雷を合図に、祭りは始まり、大いに盛り上がる。帰宅すると、祭りに参加せず離れに籠っていた昆虫学者の死体が発見される。
登場人物
金田一一、七瀬美雪以外の登場人物をまとめます。
朝木秋絵(あさき・あきえ)
金田一と美雪の元クラスメイト。父親が亡くなったため、突然の転校を余儀なくされる。
朝木冬生(あさき・とうせい)
故人。秋絵の父親。有名な陶芸家で、代表作は「空蝉」で、蝉の抜け殻をみて創作に至ったらしい。
朝木春子(あさき・はるこ)
秋絵の叔母。朝木冬生の妹。派手な女性。
朝木葉月(あさき・はづき)
秋絵の継母。朝木冬生の後妻。和服の女性。
朝木時雨(あさき・しぐれ)
秋絵の義理の妹。葉月の娘。葉月の連れ子であるため、朝木冬生との間に血縁関係はない。
武藤恭一(むとう・きょういち)
被害者。昆虫学者で蝉や抜け殻を収集している。極度の雷嫌い。蝉の抜け殻で冬生にインスピレーションを与え居候になる。
長島滋(ながしま・しげる)
長野県警の警部。口は悪いが結局のところ、金田一に協力的。「聖バレンタインの殺人」にも登場。
アニメ情報
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 101 (FILE1) |
8月16日 |
| 102 (FILE2) |
8月23日 |
| 103 (FILE3) |
9月6日 |
謎
武藤恭一の死体は離れで発見されました。状況から朝木葉月が逮捕されますが、葉月は罪を認めることはもちろん、否認もせず、ただ黙秘します。
足跡
母屋と離れを行き来するには、地面を通らなければならず、土がぬかるんでいれば、足跡が残ります。死体発見時、足跡は二組あり、ひとつは被害者の靴によってつけられた足跡で、もうひとつは朝木葉月が夕食を届けるために離れへ向かい、死体を発見したときについたものでした。
地面がぬかるんでいたのは、雷祭のときに大雨が降ったからです。足跡が残っていたということから、被害者はこの時まで生きており、雨の最中か、雨があがった後に殺されたと推測されます。この時間帯、アリバイがないのは祭りに参加していない朝木葉月だけです。
蝉
死体はセミの抜け殻に覆われていました。
蝉について調べていた被害者は抜け殻を集めており、手に入れた抜け殻を大き目のボトルに入れて保管していました。死体を覆っていたのはボトルの抜け殻で、ボトルは空になっていました。
手掛かり
金田一が真相に気付くきっかけなどをまとめます。
証拠
蝉の抜け殻が入ったボトルには、破片などが一切なく、綺麗に洗われています。警察関係者が洗ったわけではありません。
傘
離れの玄関には被害者の傘が置かれていました。雨が降った時に被害者が使用したようですが、傘の先端はいかにも雷が落ちそうな形状です。
状況
春子は後妻である葉月と、その娘の時雨を嫌っています。春子と時雨は特に仲が悪く、春子がゴムホースの場所を時雨に尋ねても、まともに答えていません。なお、時雨はゴムホースの場所を知っています。
その他、人間関係としては、葉月と武藤が元恋人同士だったこと、現在は武藤と葉月が男女関係にあることなどが明らかになっています。
真相
朝木春子が殺人犯として逮捕されますが、真犯人は朝木時雨です。春子が離れで被害者の頭を殴ったのは確かですが、致命傷にはならず、被害者は生きていました。春子は被害者に突き飛ばされて気を失ってしまい、この隙に、時雨が止めを刺しました。
動機
春子が被害者の武藤を殴ったのは、武藤に金を貢がされた挙句、捨てられたからです。
時雨が武藤を殺害したのは、武藤が葉月を脅していたからであり、母親を守るための犯行でした。武藤と葉月の関係は恋愛ではなく、脅迫によって築かれていました。これには、朝木冬生の死が関係しています。
朝木冬生の死
朝木冬生は自殺ではなく、朝木葉月による他殺でした。
朝木冬生は義理の娘である時雨に陶芸の秀でた才能があることを知り、時雨を殺そうとしました。このとき、助けに入った葉月が火かき棒で冬生を刺し殺してしまいます。殺人が起きたあとに現れたのが居候の武藤で、「空蝉」を割るなどして自殺に偽装します。その後、武藤は夫殺しをネタに葉月を強請り始めます。
トリック
被害者が死んだのは雨が降る前でした。祭りが始まる前なので、全員アリバイらしきものはありません。
起きた出来事を順に並べると、春子が被害者の頭を殴る、春子が気絶する、近くでみていた時雨が被害者を殺す、春子が目覚める、春子が足跡のトリックを仕掛ける、大雨が降るという時系列になります。
時雨は春子が逮捕されると考えていました。確かに、気絶していた春子は時雨の存在に全く気付いておらず、自分が殺したと思っていました。ところが、足跡のトリックが仕掛けられたため、最終的に時雨の母親である葉月が捕まってしまいます。
捕まった葉月が黙秘していたのは、離れから出てくる時雨を見かけ、時雨が犯人だと思っていたからです。
足跡のトリック
春子が足跡をつけたのは、雨が降る前です。春子は地面にみずをまいた後に、被害者の靴を履き、母屋から離れへの足跡を残しています。足跡を残したい部分にだけ水をまけば、その周囲は乾いたままなので、ほとんど足跡は残りません。たとえ残ったとしても、大雨で消し去ることができます。
春子が水をまく時に使ったのが、蝉の抜け殻が入ったボトルでした。春子はゴムホースの場所を知らなかったので、ボトルを使わざるを得ませんでした。なお、傘を離れに置いたのも春子ですが、これは雷嫌いの人物が雷雨の中、雷が落ちそうな傘をさしたというちぐはくな状況を残す結果になっています。
結末
金田一は謎解きで朝木春子を告発する。春子は大人しく逮捕されたが、後日、春子の犯行が致命傷ではなかったことが判明。長島警部から話を聞いた金田一と美雪は朝木葉月を訪ね、朝木冬生の死の真相を知る。真犯人の時雨は重い病気のために他界していた。
全てを見抜いていた金田一だったが、時雨のために、あえて真相は語っていなかった。
感想
激しい雷雨の中、お祭りをするというのは、結構狂ってないでしょうか。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「雷祭殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。
犯人
- 朝木時雨(あさき・しぐれ)
難病を抱えており、犯行後、飲まなければならない薬を飲まず、自ら命を絶つ。事件が起こる前から、この夏が最後…というようなことを考えていたらしく、既に死期を悟っていた様子である。
嫌いな人Aが嫌いな人Bを殴っていたので、漁夫の利したのだが、嫌いな人Aが余計なトリックを仕掛けたために、母親が捕まってしまう。母親を救うための犯行だったので本末転倒である。ところが、非常に話のわかる名探偵が登場したので、いろいろとうまくいく。正直なところ、ほぼ何もしていない。 - 朝木春子(あさき・はるこ)
カッとなって殴ってしまい、突き飛ばされて気絶し、目が覚めて意識が朦朧としているはずの中、足跡のトリックを思い付く。思い付きでしかなさそうなトリックであるが、先入観を突いて見事に成功する。気絶から目覚めたときに、トリックの才能にも覚醒したらしい。

