露西亜人形殺人事件・あらすじ・ネタバレ解説・犯人【金田一少年の事件簿52】

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vs.コンダクター

金田一少年の事件簿「露西亜人形殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは5話構成となっており、第1話は2000年7月10日(月曜日)に放送されました。

コンダクター
©天樹征丸・金成陽三郎・さとうふみや
講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション

あらすじ

金田一、美雪、佐木はいつき陽介に招かれ出版社を訪れる。いつきの用件は知人の編集者の紹介で、その編集者は抱えた遺産相続に関する悩みを金田一に相談する。
編集者は莫大な資産を築いたミステリー作家・山之内恒聖の相続人候補になったという。ただし、候補者は五人おり、暗号を解いて遺言書をみつけない限り、正式な相続人にはなれないらしかった。ふってわいた相続の話に戸惑いつつも何十億という遺産を手に入れるため、編集者は金田一に助けを求めたのだった。

金田一達は編集者と共に北海道にある山之内の別荘・露西亜館へと向かう。相続をめぐる暗号の謎解きは露西亜館で始まり、決められた期間内に解く必要があった。
候補者が全員露西亜館に集まり、弁護士が山之内の録画テープを流す。ビデオの中で山之内は、事前に送り届けられた暗号文だけではなく、ロシア人形も加えないと暗号は解けないという。人形は候補者の数と同じ五体で、いずれもバイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスなどの弦楽器をもっていた。候補者は、別に用意された本物の弦楽器をそれぞれ手にし、各々、暗号の解読を進める。

初日の遅い夕食を迎え、金田一が異変に気付く。天井に水漏れの染みが浮かび、その上にはミステリー評論家の部屋があるはずだった。一同が駆け付けると、浴槽に評論家の死体と、ロシア人形が浮かんでいた。

登場人物

金田一一、七瀬美雪、佐木竜太以外の登場人物をまとめます。いつき陽介も少しだけ登場します。

山之内恒聖(やまのうち・こうせい)

莫大な遺産を遺したミステリー作家。相続人に謎解きを仕掛ける。

神明忠治(じんめい・ただはる)

相続人候補。ミステリー評論家。基本、酔ってる。
手にした楽器はコントラバス。

宝田光二(たからだ・こうじ)

相続人候補。編集者。いつき陽介を介して金田一に助っ人を頼む。
手にした楽器はチェロ。

幽月来夢(ゆづき・らいむ)

相続人候補。挿絵画家。火災に遭い、顔の半分に火傷を負う。奇術師のスカーレット・ローゼスに助っ人を頼む。
手にした楽器はヴィオラ。

梅園薫(うめぞの・かおる)

相続人候補。ミステリー作家。デビュー作で大きな賞を受賞する。
手にした楽器は第二ヴァイオリン。

犬飼高志(いぬかい・たかし)

相続人候補。山之内の隣人で猟犬を飼っている。
手にした楽器は第一ヴァイオリン。

有頭大介(ありとう・だいすけ)

山之内の顧問弁護士の代理人。遺言執行のため、館を訪れる。

田代富士夫(たしろ・ふじお)

執事。初老の男性。

桐江想子(きりえ・そうこ)

メイド。若い女性。

スカーレット・ローゼス

幽月の助っ人。その正体は「魔術列車殺人事件」に登場した地獄の傀儡子こと高遠遙一(たかとう・よういち)。

アニメ情報

放送日
139
(FILE1)
7月10日
140
(FILE2)
7月17日
141
(FILE3)
7月24日
142
(FILE4)
7月31日
143
(FILE5)
8月7日

相続人が次々に殺されていきます。初日の夜に殺されたのがミステリー評論家の神明、初日の深夜に宝田、そして二日目の夜に幽月も殺されます。
梅園は疑心暗鬼に陥って犬飼を殺そうとし返り討ちに遭います。梅園を殺してしまった犬飼は、ローゼス(高遠)に罪をなすりつけようとしますが失敗し、高遠に殺されてしまいます。結局、相続人は全員殺されてしまいます。

暗号

被相続人の山之内が仕掛けた暗号は以下の通りです。この暗号を解くと相続について記述した遺言書の在り処がわかります。暗号は露西亜館にある五体のロシア人形を使わないと解くことができません。

楽団は朝礼で前から順に首を刈られた
さぁお次は数合わせ
2番目の子の首を5番目の子の首の
右に並べてごらん
楽しいリズムの始まり始まり

見立て殺人

被害者の近くにはロシア人形が置いてあり、「前から順に(背の低い人形から順に)」という暗号文に見立てて犯行が行われたと考えられます。見立て殺人の理由は不明です。

密室殺人

幽月来夢は露西亜館の自室で殺されていました。部屋の扉や窓は施錠されており、ルームキーは室内にありました。たとえ窓から出ることができても、三階のため脱出は不可能です。マスターキーを使えるのは、マスターキーを持ち出すために必要な鍵を持っていた高遠だけです。
高遠が犯人であるという可能性を除けば、幽月の現場は密室状態でした。

手掛かり

金田一が真相に気付くきっかけ、推理の根拠などをまとめます。

状況

五体のロシア人形の詳細は下記の通りです。人形の大きさはそれぞれ異なりますが、楽器は全て20cmです。

名前 人形の大きさ 楽器
コンスタンチン
Konstantin
50cm バイオリン
(第1)
ターニャ
Tanya
40cm バイオリン
(第2)
オリガ
Origa
40cm ヴィオラ
エミール
Emir
30cm チェロ
イワン
Ivan
20cm コントラバス
露西亜館

露西亜館は北海道にある山之内の別荘で、湖の真ん中に建てられています。ボートがなければ湖は行き来できないため、露西亜館は外科医から隔離されています。
玉ねぎのような塔が特徴で、一番高い塔には大きな時計があります。ロシア人形はこの塔の部屋に飾られていました。

時計塔のズレ

初日の夜、時計塔の時刻がややずれていました。その後、時刻は修正されたようですが、時計塔の時刻調整は非常に危険な作業を伴います。つまり、誰かが危険を冒して時間をずらしたり直したりしたということになります。

マスターキーの保管

露西亜館の部屋のマスターキーはそれぞれキーホルダーにまとめられ、鍵束になっています。この鍵束は専用の鍵がないと持ち出せません。
マスターキーをまとめているキーホルダーは丸型フラスコのような形状で、単純な円形ではありません。この変わった形のキーホルダーとマスターキーは特殊な金属をつかったヒモで結ばれています。このヒモがゴムのように伸びれば、マスターキーはキーホルダーから簡単に取り外せます。しかし、特殊なヒモなので、伸ばしたり切断したりすることはできません。

証拠

五体の人形の左右にはテーブルランプが置かれていました。このランプのシェードが途中で入れ替わっています。この事実は佐木のビデオカメラで録画されています。

真相

犯人は桐江想子です。いち早く暗号を解いた桐江は遺産を独り占めするために、相続人を次々に殺害しました。なお、梅園と犬飼は死んでいません。二人は高遠と協力し、犯人にボロを出させるため、演技をしていました。芝居を仕組んだのは金田一です。

動機

桐江想子の父親はミステリー作家を目指してトリックを考案し、そのアイデアをノートに書き溜めていました。父親は山之内と知り合いで、山之内にトリックノートをみせたりしていましたが、ほとんど評価されませんでした。そんな想子の父親が急逝し、その後、山之内が推理小説を発表します。その小説には想子の父親のトリックが使われていました。

幼くして父親を亡くした想子は貧しい生活を送っていました。そんなある日、偶然山之内と知り合い、山之内のもとでメイドとして働くことになります。
ついに山之内が亡くなり、想子は暗号を解読します。誰よりも先に遺言を読んだ想子は、相続人が全員亡くなった場合、遺言書の暗号を解いた人物が相続人になることを知ります。

想子は山之内の財産は全て父親のトリックノートを使って築かれたと考えており、自分こそが相続人に相応しいと思っていました。貧乏な暮らしをしていた想子にとって、金こそが全てであり、殺人の動機として十分でした。

トリック

犯人が死体の近くにロシア人形を置いたのは、ロシア人形が雨で濡れたことを隠すためでした。
暗号を解いた犯人は遺書を読むため、時計塔の窓を抜けて時計の文字盤に近づきました。このとき雨が降ったため、人形やランプシェードが濡れてしまいます。濡れたままにしておくと、遺書の在り処がわかってしまうかもしれないので、犯人は濡れた人形を隠しました。ランプのシェードは自室のシェードと交換しています。

暗号の答え

人形が持っている楽器は全て20cmになっているので、掛け算をして実物の大きさに直します。例えば、コントラバスのサイズは200cmほどなので、楽器は10倍する必要があります。この倍率を人形の大きさにも掛け算して、人形の大きさを修正します。コントラバスのイワンは20cmのため、修正後の大きさは200cmになります。
以上のような手順をすべての人形に施すと、背の順が変わります。「楽団は朝礼で前から順に首を刈られた」という文章に従って、人形の名前の頭文字をとり、背の順に読むと「TOKEI(時計)」となります。

遺言は時計塔が十時を示した時に現れる仕組みになっています。時計の文字盤にスイッチがあり、これを押すと引き出しが出現し、この中に遺書が隠されています。

密室トリック

マスターキーはキーホルダーの形状を利用すれば、知恵の輪のようにして取り外すことができます。誰でもマスターキーを持ち運べる状態だったので、密室というわけではありませんでした。

睡眠薬

犯人は犯行のため、集まった人物に睡眠薬を盛って眠らせています。
睡眠薬が仕込まれていたのは砂糖で、金田一達はココアに砂糖を入れたために、睡眠薬を摂取していました。犯人も砂糖を入れていましたが、ココアに張った牛乳の膜で砂糖を包み、ココアに睡眠薬が溶けないようにしていました。

切られた首

梅園は首を切断されたようにみえましたが、実際は、特殊なテーブルから首を出しているだけでした。首から下がないようにみえたのは、鏡をみていたからです。胴体の方は幽月の死体が使われています。

決定的証拠

犯人は自ら暗号の謎を解いてみせます。みつかった遺書を弁護士が読み上げると、そこには謎を解いた人物こそ真犯人であると書かれていました。この遺書は金田一が用意したもので、犯人に仕掛けられた罠でした。

結末

往生際の悪い犯人だったが、ついに追い詰められて自殺を試みる。手にしたナイフを自身に突き立てようとするが、そのナイフが真っ赤な薔薇に変わる。
高遠が仕掛けたマジックによって犯人の自殺は阻止され、高遠は気球にのってどこかへ飛び去ってしまう。

後日、金田一は山之内の遺稿を手に入れ、それが露西亜館の惨劇にそっくりであることを知る。全ては死んだ山之内が仕組んだことだった。

感想

地獄の傀儡子が登場し、とても楽しめました。気球で逃亡するシーンが思い出深いです。

この記事のまとめ

金田一少年の事件簿「露西亜人形殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。

犯人

  • コンダクター=桐江想子(きりえ・そうこ)
    なかなか粘った犯人なのだが、基本的に、私じゃない!と叫んでいただけだった。20世紀初頭に活躍した法科学の先駆者といわれるエドモンド・ロカールいわく、女性の犯罪者は矛盾を指摘すると怒り狂うらしい(偏見ではなく、ロカールの経験上、そういう人が多かったという思い出話です)。いずれにしても「幽霊がやったのよ」あたりで、イライラが呆れに変わってくるという。そして最後は金こそ全てであるとロシア館の中心付近で叫んでいた。
    ロシア人形のトリックは父親のアイデアだったので、すぐに暗号が解けた。そして、数十億という遺産に目がくらんで殺人を犯していく。
  • 山之内恒聖(やまのうち・こうせい)
    裏コンダクター。遺産を巡る殺人の仕掛け人。死んで欲しいと思う人物を相続人し、惨劇が起こるような遺言を遺した。死ぬ前に「露西亜館 新たなる殺人」という小説を書き、これが遺稿となったのだが、その内容は金田一が遭遇した露西亜館の事件とそっくりだった。もはやホラー。
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