黒猫の三角|あらすじ・ネタバレ解説・感想・考察【瀬在丸紅子の事件簿】

森博嗣『黒猫の三角(Delta in the Darkness)』のあらすじ、トリック解説、感想、犯人考察です。ドラマ版「瀬在丸紅子の事件簿~黒猫の三角~」についても紹介してます。なお、原作小説とドラマのストーリーは同じです。

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あらすじ

「皆さん、よろしくて? 誰のためでもなく、何のためでもなく、誰にも願わず、何も祈らず、乾杯!」

森博嗣「黒猫の三角」文庫P227抜粋

1年に1度、必ず殺人事件が発生する――最初の殺人は7月7日に11歳の少女、その次も7月7日だったが殺されたのは22歳の女性で、昨年は6月6日に33歳の女性が殺された。そんな中、小田原静江に脅迫文が届く。6月6日は静江の誕生日で、年齢は44歳になるということだった。静江から依頼を受けた私立探偵の保呂草は、同じアパートに住む小鳥遊(たかなし)とともに、静江を監視するのだが…。

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真相(ネタバレ注意)

秋野秀和(あきの・ひでかず)が保呂草潤平(ほろくさ・じゅんぺい)に成りすまして、殺人事件を起こしていました。

  • 秋野秀和(あきの・ひでかず)
    保呂草潤平(ほろくさ・じゅんぺい)に成りすましていた連続殺人犯。“ゾロ目ルール”に従い、高木里香、井口由美、久野恵子を殺害し、四人目は志儀木綿子を殺害する予定だった。ところが、静江殺害の依頼を夫から受けたので、標的を急遽変更するも、のちに、依頼人の夫から脅されることになる。犯人が脅迫されるのは、ミステリーでよく見かける展開だが、この事件の脅迫者はちょっと変な奴で、「自分も人を殺してみたい」と言い出す。いやだいぶ変な奴かもしれないが、欲しいものがなんでも手に入る環境だと、プライスレスな体験をしたくなるのかもしれない。
    密室のトリックは、犯人が実は室内にいたということなので、そもそも密室にはなっていなかった。

手口

  • ゾロ目殺人
    秋野は、ゾロ目のルールに従い、高木里香、井口由美、久野恵子を殺害。4人目は志儀木綿子を殺害する予定でした
    • 第一の被害者:高木里香
      当時11歳の小学生で7月7日に殺害。たまたま通りがかった小学生
    • 第二の被害者:井口由美
      当時22歳の大学生で7月7日に殺害。阿漕荘に住んでいた早川奈緒実の親友。早川に斡旋したバイトを通じて顔見知りとなる
    • 第三の被害者:久野恵子
      当時33歳のOLで6月6日に殺害。志儀木綿子が講師を務める社会人講座の受講生。秋野は講座を手伝っていた
  • 静江殺害
    秋野は、小田原政哉に、6月6日に44歳になる小田原静江の殺害を依頼されます。依頼を引き受けた秋野はゾロ目殺人と同じ手口で、志儀木綿子の代わりに、静江を殺害します。ゾロ目殺人と同様に静江を殺害することで、カモフラージュする計画でした
  • 政哉殺害
    静江の死後、政哉は、ゾロ目殺人の犯人が、秋野(保呂草)であることに気付きます。ゾロ目殺人について正直に話す秋野に対して、小田原政哉は自分も人を殺してみたい、と申し出ます。危険を感じた秋野は、紫子殺害計画の中で、小田原政哉を殺します

トリック

静江の死体が見つかった時、犯人の秋野が部屋の中に隠れていました。これは、静江殺害の依頼者である政哉が協力したため、成立したトリックです。とはいえ、家政婦の一人に、秋野の姿が目撃されています。

紫子の首を絞めたのは小田原政哉です。紫子が目撃したのは、死んだふりをする政哉でした。つまり、秋野が電話をかけにいった時、彼はまだ生きていました。

伏線

  • 保呂草と林選弱柔
    保呂草の呂は0がふたつ、林は1がふたつ、選は2がふたつ、弱は3がふたつ、柔は4がみっつ含まれています。いずれもぞろ目です。林選弱桑という四字熟語は作者である森博嗣氏の造語です。意味は、”弱い桑がある場所に、茂みができて、他の木でいっぱいになる(森博嗣著「黒猫の三角」文庫版P364抜粋)”となっています
  • チートイツ
    “保呂草が四回連続チートイツで上がったのを初め、一人勝ちだった。(森博嗣著「黒猫の三角」文庫版P28抜粋)”
    七対子(ちーといつ)は、同じ柄をふたつ揃える役です。
  • 惰性
    “「そう、なんとなく、惰性だったんだね」(森博嗣著「黒猫の三角」文庫版P311抜粋)”
    練無が紫子に推理を披露しているときに、惰性だった、と何度も繰り返しています。秋野は、惰性で第三の被害者を殺しています。

宇宙人の問題

作中に下記の宇宙人問題が登場します。なお、この問題は、紅子が静江のパーティーで紫子達に出題しています。

それまで別々の惑星に住んでいた宇宙人が、あるとき、ちょうど中間のある惑星で会うことになったのよ。ずっと電波で交信はしていたから、時間と場所をちゃんと打ち合わせて、それぞれの代表者が一名やってきたの。それでね、二人は 、同時に同じ場所に立った。それなのに、あら不思議、二人とも、お互いを見つけられないまま、ついに会えなかったのでした。さあて、どうしてそんなことになったのでしょう?

森博嗣「黒猫の三角」文庫P227抜粋

この問題の答えは、作中では登場していません。ただ、①場所と時間が間違っていた、という回答は紅子が否定しているのでハズレです。その他、②鉱物人間と液体人間だったので形が違い過ぎてわからなかった、③会うは逃げるという意味だったから会えなかった、といった答えが出ていますが、正解かどうかまでははっきりしていません。

答え

正解はわかりませんが、次のような答えが考えられます。いずれにしても、相手を見つけられなかった理由の説明となっています。

  • 巨人と小人
    巨人には相手が小さ過ぎて見えなかった。小人は相手が大き過ぎて人だと認識できなかった(陸だと思っていたら亀の甲羅だった、みたいなことですが、巨人が近づいてきたら、わかりそうなものです)
  • 目がない
    どちらも目を持たない宇宙人だった
  • 真っ暗だった
    太陽のようなとても明るい星がない場所で待ち合わせしていたので、お互いの姿が見えなかった
  • みえる光(電磁波)が違う
    どちらもガンマ線をみる宇宙人だったので、相手を認識できなかった(犬や昆虫のみている世界が人間と微妙に違っていたり、赤外線スコープでみると世界が違って見えたりするのに似ています。ガンマ線は概ね物体を通過してしまうのでみえません。レントゲンの写真よりもさらに、いろいろ透けてみえます)
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感想

ミステリーに慣れている方だと、「ふーん」や「だから何だ」という感想を持つのではないかと思います。私は、まだ推理小説をあまり読んでいないときにこの作品を読んだので、結末に仰天したりもしました。結局は、主人公のような役割の人物かつ語り手の一人が犯人なので、同様のミステリー作品がないわけではないです。密室のトリックも、それほど珍しいものではありませんし…、ということで、やはり、キャラの面白さやウィットな感じの会話などが魅力ではないかと思います。

みんなの感想

「黒猫の三角」の感想としては、意外な犯人、本当に驚く結末、最後のどんでん返し、なかなか面白い、キャラ濃い、登場人物の魅力、頭のいい会話、などがよく書き込まれています。

理由なき殺人、という話題もよく書き込まれています。
秋野秀和は、たまたま通りかかった少女をふと思い立って殺しています。

下の画像の言葉はレビューその言葉がよく使われたことを意味しています。また、言葉と言葉を結ぶ線は、その言葉が同じ文で使われたことを意味しております。

黒猫の三角の口コミをAIでまとめた図
テクニカル情報
レビュー数 文章数 異なり語数
1393 6277 4988
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ドラマについて

犯人、動機、トリックなど、事件に関するは重要な内容は、ほとんど同じです。
ただし、ドラマは小説よりも簡潔に描かれており、登場人物が少なくなっています。また、小説で保呂草(秋野)が練無に「車のヘッドライトがついている」と指摘していますが、ドラマでは「車の屋根の上に猫がのっている」になっているなど、細かな違いはあります。いずれにしても、秋野が静江の書斎から見た光景を口走った、というミスには違いありません。

項目 説明
放送日 2015年2月6日
金曜日
主演 檀れい
萩原聖人
監督/脚本 星野和成
黒岩勉
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