オリエント急行の殺人・あらすじ・ネタバレ解説【名探偵ポワロ64】

名探偵ポワロ第64話・S12E3『ドラマ版オリエント急行の殺人(Murder on the Orient Express)』のあらすじ、ネタバレ解説です。急遽オリエント急行に乗車することとなったポワロはアメリカ人のお金持ちラチェット氏に護衛を依頼されますが…。

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あらすじ

犯人を追い詰めるポワロ。しかし、容疑者が目の前で拳銃自殺してしまう――。

英国へ急遽戻ることになったポワロはブークという鉄道会社の重役のはからいにより、半ば強引にオリエント急行に乗り込むことになります。どうやら、出発までに現れなかった客がいるようでした。

最初は相部屋だったポワロも途中で個室に移ります。部屋は、ラチェットというアメリカ人の隣で、ラチェットはポワロに護衛を依頼しますが、ポワロは大金を積まれても依頼に応じませんでした。
列車が雪で立ち往生する中、乗客達は朝を迎え、ラチェットの客室で、死体が見つかります。ラチェットの死体にはナイフで刺された傷が12か所もありました。現場を調べたポワロは、犯人が少なくとも二人はいると推理します。

ポワロは乗客達から話を聞き、そして、デイジー・アームストロングの誘拐殺人事件を思い出します。

ドラマ版オリエント急行の殺人のOP

©Agatha Christie Ltd, ITV BBC

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登場人物とキャスト

ポワロ以外の登場人物です。ザビエール・ブークというポワロの知人が相棒役となります(相棒とはいえ、あまり役には立っていない)。なお、ポワロは1等の1号室で個室です。4から11号室は相部屋となっており、二段ベッドです。

  • サミュエル・ラチェット
    被害者。2号室。実業家でお金持ち。その正体はカセッティで、デイジー・アームストロング誘拐殺人の犯人。通じないイタリア語を話せる。
  • エドワード・マスターマン
    4-5号室(4と5は相部屋)。ラチェットの執事。事情聴取2番目。
  • ヘクター・マックイーン
    6-7号室(最初ポワロが入った客室)。ラチェットの秘書。事情聴取3番目。
  • キャロライン・ハバード
    3号室。ベッドの横に男が立っていたと話す女性。
  • ヘレナ・アンドレニ
    12号室(3号室の隣)。アンドレニ伯爵の妻。片言。
  • ルドルフ・アンドレニ
    13号室。伯爵。立派な髭。
  • ナタリア・ドラゴミロフ
    14号室。公爵夫人。お婆さん。
  • ヒルデガード・シュミット
    8-9号室(8と9は相部屋)。ドラゴミロフ夫人の女中。中年女性。
  • ジョン・アーバスノット
    15号室。大佐。冒頭、必死にメアリー・デブナムを引き止めていた紳士。
  • アントニオ・フォスカレリ
    4-5号室(4と5は相部屋)。イタリア人。車のセールスマン。あまり登場しない。
  • グレタ・オールソン
    10-11号室(10と11は相部屋)。信心深い雰囲気の女性。
  • メアリー・デブナム
    10-11号室(10と11は相部屋)。片腕を負傷している。
  • ピエール・ミッシェル
    車掌。普段はパリ行きの列車を担当している。
  • コンスタンチン
    16号室。産科医だが、検死を行う。

主要ゲストの役名と役者名をまとめます。

役名 役者名
Samuel Ratchett
ラチェット
Toby Jones
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事件のまとめ・謎

ラチェットはデイジー・アームストロングを誘拐し殺した犯人で、どうやら脅されているようでした。ラチェットがオリエント急行に乗ったのも、実は脅迫されていたからだったということも明らかになります。
アームストロング一家に関係していた人物が犯人ですが、誰がどのように一家と関わっていたのかはもちろん、誰が犯人なのかも不明です。

幼いデイジー・アームストロングはラチェット(本名はカセッティ)に誘拐され、殺害されました。犯人のラチェットは身代金を受け取り逃亡。その後、逮捕されますが、マフィアが関与し、ラチェットは証拠不十分となります。
幼い娘を失ったデイジーの母親は身ごもっていましたが、早産となり、母子ともに命を落とします。妻や娘達を突然失ったデイジーの父親は自殺、無実にも関わらず容疑者扱いされたメイドも自殺します。なお、誘拐事件発生時に、デイジーと一緒だった家庭教師は腕を負傷しています。

余談ですが、この事件のモデルはリンドバーグ愛児誘拐事件と言われています(リンドバーグは1920年代後半に長距離飛行を成し遂げたアメリカの英雄)。愛児誘拐事件は、リンドバーグの幼い子供が誘拐され殺害されてしまった事件です。犯人は身代金を持って逃亡しますが、捕まり死刑となります。ただし、捕まった犯人は無実を主張していたようです。なお、オリエント急行のデイジー事件のように、次々に不幸が起きたりはしていません。

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伏線・手掛かり

ラチェット殺害の真相を見抜くヒント・手掛かりです。

ラチェットの部屋は鍵がかけられていました。列車は立ち往生していたため、窓から逃げれば雪に足跡が残るはずですが、そのような痕跡はありませんでした。施錠されていたため、車両と車両を移動することもできません。つまり、車両の中に、犯人がいるということになります。

12の刺し傷から犯人が複数であることが推理され、犯行時刻は0時から1時頃です。ラチェットや他の乗客の客室から、いくつか証拠がみつかっており、そのうちのひとつが、ラチェットの部屋にあった燃えカス(AISY ARMSという文字列が読み取れる)です。これはデイジー・アームストロングを意味していました。

  • ハンカチ
    ラチェットの客室で、Hらしきイニシャルが縫われた女性物のハンカチがみつかります。しかし、乗客達は誰も自分の持ち物であるとは言いません。

  • ラチェットはデイジー殺害の一件で脅され、金を運んでいました。金はトランクの中に入っていたようですが、中身は空っぽになっていました。
  • ボタン
    ラチェットの隣の部屋(ハバード夫人の客室)に車掌のボタンが落ちていました。ハバード夫人は、夜中に男が立っていたと証言しているので、その男が車掌に変装し犯行に及んだ、とも考えることができます。

証言

車掌のミッシェルが、事件が起きた時の出来事を時系列に語っています。また、秘書のヘクター・マックイーンとアーバスノット大佐が、午前2時頃まで一緒だったことも証言しています。他の人物は、基本的に、アリバイがあるかどうかと、アームストロング一家と接点があったかどうかを証言しています。

時間 名前
23:45頃 ヴィンコヴチ駅に到着
00:30頃 叫び声(車掌が確認)
列車が停止
02:15頃 ベッドの横に男がいた
02:30頃 着物の人

ベッドの横に男がいた、と証言したのはハバード夫人で、夫人はラチェットの隣の客室の女性です。ハバード夫人とラチェットの部屋は扉で繋がっており、夫人いわく、その怪しい男は、ラチェットの部屋に侵入したようです。
着物の人物を目撃したのは、ポワロ、車掌、シュミットらで、シュミットは、男性だったと話しています。

  • 執事
    ラチェットの執事であるマスターマンは、二番目に聴取を受け、午前4時まで読書をしていたと話しています。理由は歯痛です。マスターマンはフォスカレリと同室で、フォスカレリのアリバイも証言しています(フォスカレリは寝ていたという証言)。
  • グレタ
    ハバート夫人が犯人を目撃したと話したあと、グレタ・オールソンが事情聴取を受けています。グレタはメアリー・デブナムと同室で、グレタもメアリーのアリバイを証言しています。
  • 公爵夫人とシュミット
    公爵夫人は23時頃までメイドと過ごし、0時40分頃から2時30分ごろまでは、ヒルデガード・シュミットと一緒でした。つまり、二人にはアリバイがあることになります。
  • アンドレニ夫妻
    アンドレニ伯爵夫人は、睡眠薬で眠っていたようです。このことを夫であるアンドレニ伯爵が証言しています。

アームストロング一家との関係をはっきりと認めたのは秘書のヘクター・マックイーンとナタリア・ドラゴミロフ公爵夫人だけです。他の乗客達は、有名な事件なので知っているといった内容を話しています。
公爵夫人のメイドであるシュミットはアームストロング家との関係について、あやふやな証言をしており、アームストロング家に出入りしていたこと、コックだったことなどを認めるような発言をし、それをすぐに否定しています。

ドラゴミロフ公爵夫人の証言により、デイジーちゃんの母親はソニアという名前で、妹がいたことがわかります。また、ソニアの母親はリンダ・アーデンという女優で、本名はウォータストンだったようです。

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真相

犯人は全員です。実は全員、アームストロング一家と接点があり、復讐のため、それぞれがラチェットの客室に侵入し、同じナイフでラチェットを刺しました。ただし、ヘレナ・アンドレニだけは犯行に加わっていません。犯人達はラチェットに薬を飲ませて動きを封じ、意識がある状態で、次々に刺しました。叫び声はラチェットのものではありません。ベッドに人がいたというのも、赤い着物を着た人物もすべて犯人達が仕込んだものです。

誰もがアームストロング一家とは関係がないと話していましたが、嘘でした。名付け親、裁判を担当した検事の息子、家庭教師、自殺したメイドの恋人、祖母(リンダ・アーデン)、料理人、乳母、運転手、デイジーの父親の友人や元部下、デイジーの母親の妹、などなどです。

ハンカチの文字はHだと思われていましたが、これはNで、ナタリア・ドラゴミロフ伯爵夫人のものでした。ラチェットの金も伯爵夫人がスカートに隠していました。

結末

真相を突き止めたポワロでしたが、地元警察には、車掌に変装した何者かがラチェットを殺し、逃げたと説明します。

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感想

有名だったり、映像化作品が多かったりするだけかもしれませんが、この作品はなかなか真相を忘れられない気がします(とはいえ、細かいところは忘れてしまいます。たとえば、あれ?誰か一人参加してない人がいなかったっけ、みたいな感じです)。
原作とドラマでトリックや結末などはほぼ同じですが、ドラマでは登場人物が削られていたり(ドラマでは16号室のハードマンという男が登場しない)、設定が変更されていたり(検事の息子が登場)、目撃証言などが省かれていたりします。なお、原作の邦題は「オリエント急行殺人事件」と訳される場合もあります。

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この記事のまとめ

名探偵ポワロ「オリエント急行の殺人」のあらすじ、真相をご紹介しました。

項目 内容
依頼 殺人の調査
事件分類 殺人
複数犯とは
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