vs.魚人
金田一少年の事件簿「上海魚人伝説殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは4話構成となっており、第1話は1999年5月24日(月曜日)に放送されました。

講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
あらすじ
金田一は美雪の付き添いで上海へと向かう飛行機の中にいた。
美雪はヤン・レイリーという同い年の女の子と文通をしており、レイリーに会うため、上海旅行を計画した。ひとりでは心細かったので金田一を誘ったわけだが、金田一のはしゃぎようは尋常ではなかった。
二人は無事にレイリーのもとに、たどり着く。レイリーは雑技団に一員で、団員は港に浮かぶ船で暮らし、船内のステージで公演していた。金田一達はレイリーの兄や父、団員と挨拶を交わす。新しい演目の披露を控えていた雑技団はピリピリしているという。その演目は魚人遊戯と呼ばれ、魚人の呪いがかかっているという噂だった。
翌日、金田一達は、剣を飲むパフォーマンスや虎使い、そして、水槽の中の優雅な舞・魚人遊戯を観賞する。興奮冷めやらぬ中、金田一と美雪が楽屋を訪ねると、レイリーの悲鳴が響き渡る。一同が声のもとへ駆けつけると、控室でレイリーの父であり団長のヤン・ワンが死んでいた。
登場人物
金田一一、七瀬美雪、剣持警部以外の登場人物をまとめます。
楊麗俐(ヤン・レイリー)
美雪のペンフレンド。雑技団の一員。
楊小龍(ヤン・シャオロン)
レイリーの兄。ぶっきらぼうな男。雑技団の一員。
楊王(ヤン・ワン)
雑技団の団長。レイリーとシャオロンの父親。頭を撃ち抜かれて死んでいた。
石達民(スー・タアミン)
雑技団の一員。剣を飲み込む。額が広い。
唐人美(タオ・レンメイ)
雑技団の一員。藤堂と男女関係にある。
西村志保(にしむら・しほ)
雑技団の留学生。日本人。元体操選手。不審な行動をとったりする。
周友良(チャン・ユーリャン)
雑技団のお爺さん。金田一と美雪に魚人伝説を語る。
藤堂壮介(とうどう・そうすけ)
雑技団の相談役。
李波児(リー・ポール)
上海の刑事。日本での研修経験があり、剣持警部とは顔見知り。
アニメ情報
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 90 (FILE1) |
5月24日 |
| 91 (FILE2) |
5月31日 |
| 92 (FILE3) |
6月7日 |
| 93 (FILE4) |
6月21日 |
謎
団長の死体が発見され、その後、タオ・レンメイと藤堂が殺されます。アリバイのなかったシャオロンが容疑者となり逮捕され、一度は金田一の手を借りて逃走しますが、結局捕まってしまいます。金田一は凶器の拳銃が発見されていないことなどの理由で、シャオロン以外に犯人がいると考えます。
見立て
事件はいずれも春夏秋冬をモチーフにした詩に見立てられていました。死体は詩を連想させるような状態で発見され、春、夏、秋といった文字も書かれていました。見立て殺人の理由はわかりません。
春 舟は水に浸り
夏 河は紫に濁り
秋 旅人は腐った水を飲まねばならず
冬 魚は泳ぐのをやめ眠りにつく
アリバイ
団長の死体がみつかったとき、シャロンだけアリバイがありませんでした。また、タオ・レンメイの死体発見についても同様です。二つの事件にアリバイがなかったシャオロンは殺人犯として逮捕されますが、藤堂殺害に関しては、金田一と一緒だったというアリバイがあります。
団長の死体発見
団長は公演中に死亡したと考えられます。団長がいた控室へ入るには、楽屋を通る必要があり、楽屋への入口はステージの横にしかありません。事件が起きた時は、公演の真っただ中だったため、楽屋へ入るためには、公演中のステージを堂々と横切る必要があります。
船ということもあり、部外者が控室に入るのは不可能です。容疑者は楽屋にいた関係者に絞り込まれ、このうちシャオロンだけは、ひとりで控室へ向かっています。なお、死体を発見したのはヤン・レイリーです。
レンメイの死体
レンメイの死体は魚人遊戯の最中に発見されます。天井から落ちてきた死体は水槽に落水し、水槽の水を血で紫色に染めています。
死体が落ちてきた時、アリバイがなかったのは、公演をボイコットしていたシャオロンだけでした。なお、レンメイが殺されたのは落下するよりも前です。レンメイ殺害の犯行時刻について確固たるアリバイがある人物はいません。
凶器
デリンジャーと呼ばれる小型の拳銃が使われたことは明らかになっていますが、発見されていません。犯人がどうやって拳銃を所持しているのかというのが一つの謎です。
メイユウ
雑技団では、以前にメイユウという女性団員が自殺しています。魚人遊戯が得意だったメイユウですが、『メイユウは魚人』という噂が流れて居場所を失い、最終的には自殺しています。見立ては、彼女の呪いを演出しているのかもしれません。
日本の事件
十年前に小林哲治という男性が日本で殺されています。剣持警部はこの事件を捜査しており、相談役の藤堂壮介が容疑者になったため、上海を訪れています。
上海で金田一達が遭遇した事件とのつながりは不明ですが、藤堂に殺人の容疑があるという間違いありません。
手掛かり
金田一が真相に気付くきっかけや根拠などをまとめます。
状況
雑技団では虎が飼われています。この虎は飼い主であるヤン・レイリーに忠実で、レイリーが与えた食事しか口にしません。また、お腹が一杯のときは芸をしないという特徴もあります。
証拠
金田一はシャオロンとともにシャオロンの故郷を訪ねます。
死んだヤン・ワンは置時計の中に大金を隠していました。ヤン・ワンは日記で自動車窃盗の罪と、メイユウを自殺に追い込んだことを告白しています。また、日記にはヤン・ワンが病気だったという事実も書かれていました。
窃盗事件
ヤン・ワンは藤堂が日本で盗んだ車を雑技団という立場を利用して中国へ密輸し、中国で売りさばいていました。ヤン・ワンが所持していた大金は車を売って得た金です。藤堂もちろんですが、タオ・レンメイも共犯者です。
メイユウの自殺
メイユウの才能に嫉妬したタオ・レンメイが、団長のヤン・ワンを利用してメイユウを自殺に追い込んでいます。ヤン・ワンは自動車窃盗という弱みを握られていたため、レンメイに逆らうことはできませんでした。
真相
犯人は楊麗俐(ヤン・レイリー)です。ヤン・レイリーは十年前に殺された小林哲治の娘でした。
動機
小林哲治は娘(ヤン・レイリー)の送迎中に、乗っていたトラックから離れた隙をつかれてトラックを盗まれてしまいます。トラックを止めようとした小林哲治ですが、ひき殺されてしまいます。犯人は藤堂、ヤン・ワン、タオ・レンメイの三人組でした。
トラックの荷台に隠れた娘は、そのまま中国へと連れていかれてしまい、ヤン・レイリーとして雑技団の一員として育てられることになります。
長い月日を経て、再び日本を訪れたヤン・レイリーは密かに雑技団から逃げ出そうとします。ヤン・レイリーの目的は父との再会でしたが、たまたまみかけた雑誌の記事で、父の死を知ることになります。そして、父の仇を討つために、雑技団に戻る決意を固めます。
トリック
犯人のねらいはヤン・ワン団長、団員のタオ・レンメイ、相談役の藤堂の三人でしたが、このうち、ヤン・ワンだけは自殺です。偶然にも団長の死体を発見した犯人は、詩に見立てた殺人を思い付き、自殺を連続殺人の被害者にみせました。
見立て殺人
犯人のねらいは、同一犯による連続殺人にみせることでした。そのために使われたのが、詩になぞらえた見立て殺人です。すべての事件が同じ人物による連続殺人として扱われれば、どれか一つにアリバイがある人物は疑われなくなります。犯人はこのことを利用して、容疑者から外れます。
兄(血縁関係はない)が容疑者になってしまったのはたまたまで、兄に罪をきせようという意図はありませんでした。
自殺を他殺に見せる際に、死体を水で濡らしたのは、硝煙臭を消す目的もありました。使われた水は金魚鉢の水だったため、生臭さで他の臭いは消えていたようです。
春、夏、秋と犯行を重ね、犯人は最後の冬でヤン・レンリーが罪を告白して死んだようにみせようとしていました。ヤン・レンリーを抹殺し、小林の娘として日本で暮らすというのが犯人の計画で、美雪との文通は、日本の知り合いを作るために行っていました。
アリバイトリック
団長の事件は自殺だったので、アリバイは関係ありません。
タオ・レンメイの死体落下については、ドライアイスと魚人遊戯だけで使われる青いライトが使われています。
犯人はレンメイを殺害した後、青いライトが熱くなる部分に濡れた衣装をくくりつけ、ドライアイスで凍らせて固定しました。公演が始まって、青いライトが点灯すれば、熱で氷は解け、死体は舞台へと落下します。以上のように、自動で死体が落ちる仕組みが使われていたため、アリバイがあったとしても、実行が可能でした。
凶器の隠し場所
小型の拳銃は虎に飲み込ませていました。つまり、警察が捜索したとき、凶器は虎の体内にありました。
死体落下という手の込んだトリックを仕掛けたのは、公演を中止させるためです。虎に拳銃入りのエサを与えてしまったため、満腹になった虎は芸をしなくなっていました。このことを露呈させないため、水槽に死体が落ちてくるという演出をして、公演を中止せざるを得ない状況を作りました。
決定的な証拠
金田一が紙コップのトリックを再現し、遊佐チエミのカップにだけ睡眠薬が入っていないことを示しています。
結末
留学生の西村志保はヤン・レイリーの実は姉だった。何も残っていないと話す犯人だったが、実は多くの人に愛されていた。
帰国後、美雪はレイリーからの手紙を受け取り、近況を知る。
感想
ここは本当に上海なのかと思うほどに日本語が飛び交っていた気がします。とはいえ、急に美雪が中国語を話しだしたりするのはおかしいですし、いちいち通訳を介すというのも、見づらいかもしれません。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「上海魚人伝説殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、トリック、真相などをご紹介しました。
犯人
- 魚人=楊麗俐(ヤン・レイリー)
実は日本人。十年前、父と共に自動車窃盗に遭い、父を亡くす。結果的に、中国へと拉致られ、雑技団の一員になる。父の生存を信じていたが、亡くなっていることを知り、復讐心に目覚める。
殺そうと思っていた人物が自殺し、運よく第一発見者になった。冷静な犯人は、これを好機と捉え、同一犯による連続殺人にみせて容疑者から外れようとする。最終的には、自白しつつ死んだふりをして逃亡するつもりだったらしい。自白するんかい、と言いたくなるわけで、逃亡計画が完璧ならば、見立て殺人とか死体落下のトリックとか凶器の隠蔽とか必要なかったような気もする。途中で捕まってしまったら、仇敵を始末できないので、時間を稼ぐ必要があったということなのだろうか。それならば、さっさと全員殺して逃げればよかったような…、ということなのだが、詳しく語られていないので何ともいえないわけである。

