山村美紗サスペンス「京都花の密室殺人事件」のネタバレあらすじです。登場人物や事件の概要、トリック・犯人をまとめています。
あらすじ
キャサリンと主人公は、キャサリンの友人で華道家の松野愛子の個展に足を運びます。
そこで、突然、愛子が血を吐いて倒れ、そのまま亡くなります。
愛子は自殺、という警察の見解に疑問を抱いたキャサリンは、主人公と共に、事件の調査を始めます。
捜査が進む中、華道大会の選考会が開かれ、死んだ愛子の代わりに、珠美が選ばれます。しかし、選公開直後、珠美も何者かによって殺され、その死体が、密室の茶室で発見されます。
さらに、家元の息子である光雄も、自宅のマンションで、死体となって見つかります。

「京都花の密室殺人事件」
登場人物
登場人物をまとめます。ひらがなではわかりにくいため、漢字に変換しています。
- 主人公
主人公。キャサリンの友人。(プレイヤーが自由に名前を決めることができる) - キャサリン
アメリカ人。アメリカ副大統領の娘。松野愛子の知り合い - 狩矢荘助(かりやそうすけ)
京都府警の警部。キャサリンとは顔なじみ - 松野愛子(まつのあいこ)
京本流の華道家で、実力No.1。家元の弟子。第一の被害者 - 九条珠美(くじょうたまみ)
京本流No.2。家元の弟子。第二の被害者 - 梅川静江(うめかわしずえ)
京本流No.3。家元の弟子。大人しい性格 - 家元/京本秋宝(いえもと/きょうもとしゅうほう)
京本派の家元。華道一筋で、経営面はからっきし - 京本香織(きょうもとかおり)
家元の妻 - 京本光雄(きょうもとみつお)
家元と香織の一人息子。跡継ぎであるが、華道に興味なし。第三の被害者 - 沢田(さわだ)
京本流の理事。京本流の財布を握っている。華道のことはほとんど知らない - 小菊(こぎく)
愛子の弟子。舞妓 - 小春(こはる)
愛子の弟子
事件のまとめ・謎
愛子、珠美、光雄を殺害した犯人、動機、その手口が大きな謎です。
愛子殺害
愛子の死因は、青酸カリによる中毒死です。手口は早々に明らかになりますが、犯人と動機は不明のままです。
警察の捜査の結果、愛子が使っていた口紅から青酸カリが検出されます。愛子はいつも濃い赤の口紅を使っており、そのことを知っている、もしくは、知り得る人物が犯人です。ちなみに、珠美と静江は同じ口紅を持っているようです。
珠美殺害
選考会の直後、珠美も殺されます。珠美の死体の近くに、青酸カリの入ったおうす(薄茶のこと)が茶碗から見つかります。
選考会には、京本流として、華道大会に3名が出展する予定でした。ひとりは家元、もう一人は家元の息子(光雄)です。そして、最後の一人は、愛子のはずでした。しかし、彼女は亡くなったため、選考会の結果、実力No.2の珠美が選ばれます。
選考会終了から珠美の死体発見までを、簡単にまとめます。
| 時刻 | |
|---|---|
| 10:00 | 選考会終了 (珠美の出展が決まる) 朝から降っていた雪が止む |
| 10:00~ | 昼食会の準備 |
| 11:00頃 | 珠美がいないことに気付く |
| 11:30頃 | 茶室で珠美の死体を発見 |
- 密室
珠美の死体が見つかった茶室は、内側から掛け金がかけられており密室でした。「密室だから自殺」と推理できそうですが、華道大会への出展が決まったばかりの珠美が自殺するとは考えられません - 足跡
母屋からやや離れた所にある茶室へ向かうためには、雪の上を歩く必要がありますが、犯人や被害者(珠美)の足跡は残っていませんでした。
10時頃に雪は止んでいたため、足跡が消えたとも考えられません。長い板を使えば雪の上を歩かずに済みますが、狩矢警部によると、現場付近に、茶室と母屋を渡すような板切れはなかったとのこと
光雄殺害
光雄は、自宅のマンションで殺されます。愛子殺害と同様、手口は解明されますが、犯人と動機は終盤まで明らかになりません。
光雄は、座布団に仕込まれた青酸カリ付きの剣山で殺されました。また、光雄が死んだ現場の和室には、花が生けてあり、その花の本数は四本でした。
静江失踪
光雄殺害後、実力No.3の静江も姿を消します。静江は光雄が死ぬほんの少し前に、光雄のマンションを尋ねているようでした。沢田の証言や手帳などによると、どうやら光雄は、華道の稽古をするために、静江と会う約束をしていたようです。
真相(ネタバレ注意)
愛子、珠美、光雄を殺した犯人は沢田です。株式投資に失敗した沢田は、借金を返済するため、京本流の金を横領していました。しかし、この横領が珠美にバレてしまいます。沢田は珠美に強請られることになり、珠美の殺害を計画します。
沢田は、跡継ぎ争いにみせかけて、珠美を殺そうとしました。そのため、まず口紅に毒を仕込み、愛子を殺害。口紅のことは、珠美から聞いていました。
おして標的である珠美を殺しています。珠美殺害時には、後述の雪の足跡や密室トリックを使っています
珠美殺害のときに、目撃者が現れます。それが、光雄です。沢田は光雄に犯行の一部(雪の足跡のトリック)を目撃されます。そこで沢田は光雄を殺害し、その罪を静江に着せようとします。
沢田は、静江が疑われるようにして、光雄を殺害。アリバイトリックも準備します。
光雄が静江から生け花の稽古を受けていた、という筋書きに合わせるため、沢田は現場に生け花を残します。生け花についてほとんど何も知らない沢田は、写真をみながら、花を生けます。しかし、隠れた花に気付かず、4本の花を生けてしまいます。通常、花の本数は奇数とされています。
トリック
足跡トリック、密室トリック、アリバイトリックについてです。
雪の足跡トリック
長い板を使い、雪の上を歩きました。沢田は、現場付近ではなく、納屋に板を隠しました。光雄は、沢田が納屋に板を隠す様子を見ていました。
密室トリック
沢田は珠美殺害後、茶室の出入口(ふすま)に掛け金をかけ、ふすまをぶち破って、外に出ました。外に出た後、ふすま紙をつかって、外側から穴をふさぎます。穴はふさがっているため、家元らが珠美の死体を発見した時、何も違和感を抱きませんでした。
ふすまは、反対側(室内側)も修復しておく必要があります。これは、死体発見後、沢田が室内で見張りをしているときに、密かに直しています。
事件後、沢田はふすまの取り換えを女中に言いつけ、証拠を隠滅しようとします。しかし、表具屋で修理前のふすまが見つかり、密室トリックの決定的な証拠となります。
アリバイトリック
光雄殺害時に、沢田は留守番電話とキャッチホンを使って、自分の家にいるようにみせます。
沢田は、あらかじめ、三年堂の主人に、光雄殺害の犯行時刻である午後8時に、沢田の自宅へ電話をかけるよう頼んでおきます。さらに、「今話し中なので後で電話します」という留守番電話のテープも用意していおきます。
光雄殺害した沢田は現場、すなわち光雄の部屋から、友人に電話します。そして、偽のブザーで友人にキャッチホンが入ったと嘘をつき、電話を切ります。
続いて、沢田の自宅に電話をかけ、三年堂からの電話があったどうかを確かめます。そして、三年堂に電話をします。
三年堂の主人は、沢田の自宅に電話をしますが、この時、「今話し中……」というテープの沢田の声を肉声と勘違いします。これにより、三年堂の主人は、沢田が自宅にいたと証言することになり、沢田のアリバイは成立します。
