vs.レッドラム
金田一少年の事件簿「蝋人形城殺人事件」(アニメ)のあらすじ、トリック解説、犯人考察です。アニメは3話構成となっており、1話目は1997年5月19日(月曜日)に放送されました。

講談社・読売テレビ・電通・東映アニメーション
あらすじ
ミステリーナイトに参加するため、金田一一と七瀬美雪は、バルト城、別名蝋人形城へと赴きます。
ミステリーナイトに集められた探偵は一と美雪を含め全10名。城に閉じ込められた参加者のうち2名が死体で見つかり、そして、最後に、ある人物の首つり死体が見つかります。
ミステリーナイトの主催者レッドラムは、首を吊った人物が他の2人を殺し、自殺したという筋書きを用意しているようでしたが……。
登場人物
登場人物をまとめます。
東の塔
大暖炉の間がある棟
金田一一
主人公。殺人が起きた後であっても風呂をのぞくことを忘れないタフな精神の持ち主。
部屋:東の塔、明智の隣。
七瀬美雪
一の幼馴染。
部屋:東の塔、一の隣。
明智健悟(あけち・けんご)
警視庁捜査一家の警視。
部屋:東の塔の端。部屋の暖炉の煙突が、西の塔の当麻の部屋と繋がっている。
多岐川かほる(たきがわ・かおる)
推理作家。日本ではミステリー女王と呼ばれるほどの知名度がある。代表作は「双子姉妹探偵」。
部屋:東の塔、美雪の隣。
南山駿三(みなみやま・しゅんぞう)
執事。世話係。フランケンシュタインに似ている。
部屋:東の塔、多岐川の隣。
エドワード・コロンボ
ロス市警のとある刑事の甥。
部屋:東の塔、南山の隣。明智の部屋の反対側の端。
西の塔
小暖炉の間がある棟
当麻恵(とうま・めぐみ)
探偵社社長。最初の被害者。
部屋:西の塔の端。部屋の暖炉の煙突が、東の塔の明智の部屋と繋がっている。
リチャード・アンダーソン
犯罪心理学者の権威。二番目の被害者。
部屋:西の塔、当麻の隣。
坂東九三郎(ばんどう・くさぶろう)
推理小説評論家。最後の被害者。
部屋:西の塔、リチャードの隣。
マリア・フリードリヒ
ドイツの監察医。
部屋:西の塔、坂東の隣。
真木目仁(まきめ・じん)
犯罪ジャーナリスト。
部屋:西の塔、マリアの隣。当麻の部屋の反対側の端。
アニメ情報
| 話 | 放送日 |
|---|---|
| 7 (FILE1) |
5月19日 |
| 8 (FILE2) |
5月26日 |
| 9 (FILE3) |
6月2日 |
謎と手掛かり
当麻、リチャード、坂東殺害の犯人、動機、手口、そしてレッドラムの正体がこの事件の謎です。それぞれの殺人について、概要と謎、手掛かりをまとめます。なお、redrumを逆からよむと、murderになります。
当麻殺害
当麻の死体が見つかる前にまず、遊戯室で、大暖炉の間にあったはずの当麻の蝋人形が見つかります。これは一が、レッドラムの指示通りに行動した結果です。一が犯人だとわかった後、本物の死体が当麻の部屋で見つかります。
当麻殺害に関しては、なぜ犯人はわざわざ蝋人形を使って手の込んだことをしたのか、というのが大きな謎です。
リチャード殺害
レッドラムの放送が入り、一たちは、西の塔の小暖炉の間でリチャードの蝋人形をみつけます。蝋人形をみた一たちは、リチャードに危機が迫っていると思い、西の塔の、リチャードの部屋へ向かいます。
密室
蝋人形が置いてあった小暖炉の間は、密室状態でした。つまり、犯行が可能なのは、西の塔の部屋を割り当てられた人物だけということになり、坂東、マリア、真木目の3人に絞られることになります。ただし、当麻の部屋の暖炉を使えば、東の塔へ移動することができます。
当麻の部屋と暖炉で繋がっている東の塔の部屋は、明智が自室としています。
杭
小暖炉の間に置かれた蝋人形は、杭を抱えるようにして、机に横たわっていました。この杭、実は張りぼてで、先端は尖っていませんでした。一は、杭を尖らせなかったことに理由があると、推理します。
坂東殺害
大暖炉の間で、首のとれた明智の蝋人形が見つかります。しかし、明智は眠らされているだけで、命に別状はありませんでした。その後、大暖炉の間に戻ると、今度は、明智の蝋人形を確認した時にはあったはずの坂東の蝋人形がなくなっていることに気付きます。
自殺とアリバイ
明智の蝋人形が見つかったとき、坂東の蝋人形は大暖炉の間にあったようです。この蝋人形は明智救出後、坂東の部屋で見つかります。
城にいた人物は、全員、明智の部屋の前に集まっています。つまり、全員にアリバイがある(誰も坂東の蝋人形を移動することができない)ことになります。よって、坂東は自殺であるという筋書きが成立します。
本当に坂東が他の2人を殺し、自殺したのかは、定かではありません。
蝋人形の涙
明智の蝋人形が見つかった時、大暖炉の間は換気扇の故障のため、とても暑くなっていました。これが原因で、その場にあった蝋人形が涙を流します(白目の部分が溶けます)。しかし、坂東の蝋人形だけは、涙を流していませんでした。この状況が何を示唆しているのか、不明です。
明智への嫌疑
明智は暖炉を使えば、西の塔と東の塔を行き来できます。リチャード殺害時は当麻が死んでいるため暖炉を使って、密室を作り出せます。さらに、坂東殺害時は、眠らされたふりをすれば、暖炉を使って、自由に行動できるはずです。一はこれらの推理をもとに、明智を告発します。しかし、暖炉に蜘蛛の巣がはっていたことから、暖炉がしばらく使われていないと言い返されます。
もちろん、明智は犯人ではありません。
真相
犯人は多岐川かほるです。被害者三人は過去にある殺人を犯しており、その復讐のため、多岐川は犯行に及びました。
蝋人形を使った理由
蝋人形は二番目と三番目の犯行で屋敷にいる人物たちの注意を背ける(被害者の部屋に集める)ための、トリックでした。蝋人形がみつかるとその人物が死んでいるという見方をすりこむため、最初の犯行でも蝋人形が登場していました。
密室トリック
犯人の多岐川はリチャードの蝋人形が見つかった時、まだ西の塔にいました。隠れる場所はありませんでしたが、蝋人形になりすまして隠れることで、一たちを欺きました。
蝋人形のトリックで、発見者達は被害者であるリチャードの部屋に向かうため、その間に、蝋人形のふりを解くことができます。
尖っていない杭
杭が尖っていなかったのは、生きた人間が杭が刺されたようなふりをしていたためです。
アリバイトリック
坂東の死体が見つかった時、蝋人形を移動することができる人物はいない――言い換えれば全員にアリバイがある――はずです。しかしながら、蝋人形は明智の蝋人形が見つかった時、既に運び出されていました。一たちが目撃した坂東の蝋人形は、多岐川が蝋人形のふりをしている姿でした。
多岐川は蝋人形として目撃されたあと、急いで、変装を解き、明智の部屋に駆け付けました。
坂東の蝋人形の涙
坂東の蝋人形だけは、暑い部屋に置かれていなかったので、涙を流していませんでした。
証拠
多岐川が犯人であることを証明する証拠は暖炉の指輪と椅子の塩です。
指輪
坂東の蝋人形のふりをしていた多岐川は急いで着替えたため、大事な指輪も変装の服と一緒に暖炉へ放り投げてしまいます。
汗と塩
多岐川は暑い部屋の中で蝋人形のふりをしていたため、大量の汗をかいていました。その汗が座っていた椅子に付着し、塩になっていました。
動機
当麻、リチャード、坂東、多岐川、そして、狭山恭次(さやま・きょうじ)は、四億円事件の犯人です。
発案者である狭山は盗んだ四億円には手を出さず、そのまま放置することを決めます。それを受け入れることができなかった当麻、リチャード、坂東は、狭山と、狭山の恋人であった多岐川の殺害しようとします。
狭山は亡くなり、蝋人形城に埋められますが、多岐川は生き残ります。
四億円事件を追っていたのが、明智の父です。
※実際に起きた事件の通称は三億円事件です
結末
すべてを自白した多岐川は城に火を放ちます。金田一、美雪、そして、他の参加者はなんとか逃げ延びますが、多岐川は死体となって発見されます。
この記事のまとめ
金田一少年の事件簿「蝋人形城殺人事件」(アニメ)について、あらすじ、真相などをご紹介しました。
犯人
- レッドラム=多岐川かほる(たきがわ・かおる)
四億円事件の首謀者だった男性の恋人。恋人が強盗事件の仲間に裏切られて殺されてしまったため、復讐を誓うことになる。
推理作家ということもあってか、最後に死んだ人物を犯人に仕立て上げるというかたちで偽装をしっかり完結させている。メインのトリックは人形に変装するというもので、犯人は人形を演じ切るために鍛錬を重ねたようである。実はシャーロック・ホームズシリーズにも人形に変装するという内容が登場するので、トリック自体はだいぶ古くから存在する。
密室のトリックは犯人が蠟人形に変装していたということになるが、言い換えると、実は部屋の中に犯人がいたというトリックでなので、密室ではなかったということになる。密室となった棟の中に複数の容疑者がいた状況なので、そもそも密室かというと違和感があるかもしれない。密室となると基本的には自殺や病死にみせることになるが、この場合は、他殺にみせつつ無実の人間に犯行もなすりつけることができるわけで、この点が違和感の正体であると考えられる。最終的に、密室での犯行が可能だった人物(坂東)が自殺しているので、辻褄も合っている。
計画を見る限りは完全犯罪になりそうだが、換気扇の故障という不測の事態によって、犯人は様々な証拠を残すことになる。

